SVGに普及のきざし
A complete vector graphics editor in the browser |
ブラウザにおける2Dベクターグラフィックの利用にSVGが普及する気配を見せている。SVGは登場してからだいぶ経つが、Webコンテンツにおける主要なデータフォーマットのひとつとはいえない状況にある。
しかしHTML5でHTMLページに組み込むことが可能になること、IE9でサポートされる可能性が出ていること、IE以外の主要ブラウザですでに利用できること、グラフィックアプリケーションでの対応が進んでいること、といった状況があり、今後普及を見せる可能性がある。
SVGを扱うことができるグラフィックアプリケーションは多い。中でも最近注目されはじめているアプリケーションにSVG-editがある。Webアプリケーションとして開発されており、ブラウザからアクセスするだけで利用できる。
SVG-edit 2.4 Arbelos登場
SVG-editはJavaScriptで開発されたSVGエディタ。ブラウザからアクセスするだけで利用できる。サポートされているブラウザは次のとおり。
SVG-editサポートブラウザ
- Firefox 1.5およびそれ以降のバージョン
- Opera 9.50およびそれ以降のバージョン
- Safari4およびそれ以降のバージョン
- Chrome1およびそれ以降のバージョン
- Google Chrome FrameをインストールしたIE
加えて、Operaにはウィジェットが提供され、Firefoxにはアドオンが提供されている。Operaウィジェット版のSVG-editはネイティブアプリケーションと同じように利用できるほか、ローカルファイルの読み込み機能も追加されている。Opera 10.50以降ならOperaを起動する必要がなく、SVG-editのみで実行可能。
SVG-edit 2.4で提供されている主な機能は次のとおり。2.3と比較して大幅な機能強化が実施されている。現在開発が進められているSVG-edit 2.5で追加が予定されている機能もすでに公開されている。
SVG-edit 2.4機能
- フリーハンド描画
- 線描画
- 多角形描画
- UIリサイズ
- 長方形描画
- 楕円描画
- テキスト描画
- ラスターイメージ取り込み
- 選択機能
- 移動機能
- リサイズ機能
- 回転機能
- アンドゥ
- リドゥ
- カラー選択
- グラデーション
- グルーピング
- 角度機能
- ズーム機能
- レイヤ機能
- ワイヤフレームモード
- SVG対応
- UIローカライズ
- キャンバスリサイズ
- 背景の変更
- ダイアログドラッグ
SVG-edit 2.5で追加される機能
- メインメニュー
- ローカルファイル対応(Firefox 3.6のみ)
- アロー
- SVGサポートの拡大
- プラグインアーキテクチャ
- スムーズフリーハンドパス機能
SVGに対応したデスクトップグラフィックアプリケーションと比較するとサポートしている機能は少ないが、すでに基本的な機能をサポートし、開発も活発に継続されている。しかもインストールする必要がなく、アクセスするだけで利用できるエディタという点で興味深い。簡単なSVG画像を作成する程度であればSVG-editで事足りる。
SVG-editの操作方法はほかのグラフィックアプリケーションと同じ。特に癖のある操作はなく、提供されているボタンをクリックしていくだけだ。作成した画像はSVGボタンをクリックすることでソースコードを表示させることができる。Opera Widgetsを使っている場合にはそのままローカルファイルとして保存できる。
以降で特にSVG-edit 2.4で追加された新機能をいくつかピックアップして紹介する。