"YU"、そして「Crush Tears」はすべてにおいて男性的な存在
――なるほど。そうなると、曲自体も男性的なイメージになりますか?
小林「すべてにおいて男性的であることがキーワードのようになっています。今回のシングルでは2曲とも私が歌詞を書かせていただいているのですが、どちらも"少年の恋心"をテーマにしているんですよ。すべてのものを司る世界観が"男性"なんですね。つまり、"YU"というのは"男性"であるというところからスタートしているので、"YU"は"小林ゆう"とはまったく別の人間であるということになるんです。ただ、男性と一言で言っても、いろいろな方がいらっしゃるじゃないですか。たとえば、筋肉がムキムキのマッチョな方もいらっしゃれば、すごく美しくて、様式美みたいに中性的なところを大事にしている方もいらっしゃいますし。男性と言ってもいろいろな方がいらっしゃって、いろいろな面があると思うのですが、"YU"に関しては、"小林ゆう"の男性面、私の中にある男性的な一面を出したものだと私は解釈しています」
――"YU"になると急に話し言葉が「オレ」になったりするようなことは?
小林「それはライブのときになってみないとわからないですね。そのときになるまで何が出てくるのかわからないのが自分なんだっていうことが、最近わかってきまして(笑)。とにかく、自分でも何をしてしまうのかがわからないんですよ、その場に立ってみないと。だから、『オレ』かもしれないですし、もしかしたら『ワシ』かもしれないですよ(笑)」
――ライブでいきなり「ワシ」って話し出したら、ジェンダーを越えるどころか、コモンセンスも打ち破りすぎですよね
小林「そうですね(笑)。まあそれは極端な話なんですけど、ラジオなどでは『オイラ』ってよく口にすることがあるんですよ。皆様からも『ゆう君』とか『ゆう坊』って可愛がっていたいていますので、『オレ』とか『ワシ』でも全然不思議ではないかもしれません。はたして今回はどういう感じになるか? それは、ライブになってみないとわからないので、そのあたりも楽しみにしていてください(笑)」
――先ほどもお話にありましたが、「Crush Tears」の"YU"は、作り上げるというよりも、小林さんの中にある「男性像」を見せるといった感じですね
小林「私の中にも皆様にお見せしていない面がまだまだたくさんあると思うんです。その中の一つを、ビジュアルのイメージも含めて、歌というカタチで皆様に楽しんでいただく。そういった表現の場の一つが『Crush Tears』になっています」
――RYOさんにお伺いしますが、現在一緒に活動していて、そういった小林さんの新たな一面は出てきている感じですか?
RYO「ゆうさんにも言ったのですが、『ナックルボール』みたいな人だなって思うんですよ。一緒にやっていて、よく変化球を投げ込まれるんですけど、それが何の変化球なのかがわからないですよね(笑)」
――どちらに曲がるか予想もつかない感じですか?
RYO「まったく予想がつかないですね(笑)。ただ、そろそろ来るかなっていう匂いは最近つかめるようになりました」
――これまでは急に投げ込まれて、さらにそれがナックルだったわけですね
RYO「やっと、身構えられるところまできた感じですね(笑)。本当にいつも違う面をいろいろと見せていただいています」