保守・運用こそが企業システムの肝

筆者の知る限り、若手のエンジニアに保守・運用はあまり人気がありません。確かに地味な印象ですし、徹夜が続いたり突然電話がかかってきたりといった悪い情報が多いのは事実です。しかし、企業のビジネスを「いま」支えているのはどの作業かを考えると、言うまでもなく既存のシステムの保守・運用です。

システムは開発している期間より保守・運用している期間のほうが圧倒的に長く、お金もかかっています。システムが止まったり、格納されているデータが失われたりといったことが起きれば、企業のビジネスは止まり、即損失につながります。

また、世の中は常に変化しており、企業のビジネスもそれにあわせて変化しなければなりません。当然、ビジネスの変化に合わせてシステムも変化が必要です。このような状況に対応するために、保守・運用が必要なのです。企業のビジネスの根幹にあるシステムを支えているのは、保守・運用です。

保守はシステムを最新の状態に保つ作業

保守の範囲は幅広く、OSやアプリケーションへのパッチ適用、データベースのパフォーマンスチューニングなど、システムを最新の状態に保つための作業はほとんど含まれます。加えて、不具合調査、バグ修正、簡単な機能の追加・変更、設定変更、ログ取得などの、システムの状態を変更するような作業まで行うこともあります。システムはビジネスにあわせて常に変化させていく必要がありますが、保守担当者が行える範囲であれば、簡単な変化に関わる作業も対象範囲となります。

このように、保守はいろんなことをやらないといけません。大変そうですね。でも、少し見方を変えると、幅広い知識を身につけられる面白い作業と言えます。たとえば、プログラミングはプログラム以外に触る機会があまりないですが、保守はプログラミング以外にもハードウェアやOS、データベースに触ることができます。

もし皆さんが保守作業に配属されたら、それは広い範囲の知識を身につけるチャンスです。システム開発は様々な要素の組合せです。幅広い知識があって困ることはありません。

保守に関係する範囲