ヤフーが提供する各種サービスの再入門連載『ヤフーのおさらい』。今回はWebメールサービス「Yahoo!メール編」の第3回をお送りします。……第1回第2回

まずは、基本の迷惑メールフィルター

日常的にメールを利用していて困るのは、迷惑メールの多さだ。特に長く使っているメールアドレスなら、かなりの頻度で迷惑メールが届くという人が少なくないだろう。

一般的な対策としては、メールソフトやセキュリティソフトのフィルター(振り分け)機能をすることが多いが、自分のPCにセキュリティソフトがインストールされていても、サービスサーバ上のデータにこうした機能を適用することはできない。しかし、「Yahoo!メール」では迷惑メールを自動的に振り分ける「迷惑メールフィルター」があらかじめ提供されている。

「迷惑メールフィルター」機能は、利用し始めた時点で自動的に利用する状態に設定されている。このフィルターで迷惑メールだと判断されたメールは自動的に「迷惑メール」フォルダに振り分けられ、最長1カ月で自動的に削除される。ただ、必要なメールが間違って削除される可能性もないとはいえないので、時々チェックしておくことが必要だ。

イメージブロックはHTMLメールの画像表示をオフにする機能。悪質なHTMLメールによるアドレス収集を防ぐ

なお、Yahoo!メールには「迷惑メール報告機能」がある。その名の通り、ユーザーが「これは迷惑メールだ」と感じたメールをヤフー側に報告する機能で、寄せられた報告を蓄積・分析することでフィルターの精度をより向上させることを目的としている。

この他、特定の送信元のメールを受信拒否にしたり、送信元を偽装した「なりすましメール」の拒否設定も可能となっている。

転送されたメールなどを対象外とする「救済リスト」は500件まで登録可能。ドメインごとの設定もできる

あれば安心、10個まで使える"身代わり"アドレス

迷惑メールが届くようになるきっかけはいろいろあるが、ネットの懸賞応募やWebサービスの会員登録などでメールアドレスを送信することには、やはり慎重になりがちだ。こうした場合はメインのアドレスを利用せず、別にWebメールのアドレスを取得して登録している人も多いだろう。登録したアドレスに迷惑メールが送られてくるようだったら、そのアドレスは捨てればよい。いわゆる"捨てアド"だ。

Yahoo!メールでは、ひとつのアドレスに最大10個の"別名アドレス"を作れる「セーフティーアドレス」機能が無料で利用できる。別のメールアカウントを作るのとは異なり、いわばメールアドレスに"ペンネーム"を与えるようなもので、その実体は"本名"のアドレスと同じものだ。つまり、メールボックスは同一なので、ペンネーム宛のメールも本名宛のメールも同じメールボックスで受信できる。もしペンネームのアドレスに迷惑メールが届くようなら、いつでもそれを削除することができ、本名のアドレスには影響を与えずに済むわけだ。

セーフティーアドレスは「ベースネーム」-(ハイフォン)「キーワード」の形となっている。例えばベースネームを「mycom」としたら、「mycom-shopping」「mycom-kensyou」など適当なキーワードを組み合わせて登録する。最大10個まで利用でき、追加・削除の回数に制限はない。

実際のセーフティーアドレス作成手順は下記の通り。

手順1メールオプションの「セーフティーアドレス」をクリック

手順2「今すぐ作成する」をクリック。「ツアーを見る」では、詳しい説明を見ることができる

手順3ベースネームを登録する

手順4キーワードを設定する

手順5このアドレス宛メールの受信フォルダやラベルの色を設定できる(後で変更も可)

手順6作成したセーフティーアドレス一覧。不要になったアドレスはすぐに削除できる

セーフティーアドレス宛のメールも同じメールボックスに届く

本来のメールアドレスは家族や友人などとの連絡に使い、メルマガ登録や懸賞、オンラインショッピング等ではセーフティーアドレスを利用するという使い分けが可能だ。すでにYahoo!メールを捨てアドとして利用している場合も、セーフティーアドレスを使えば外向きアドレスの集約・一括管理に活用できそうだ。

プライバシーのためにもメールアドレスは変更

本来のアドレスがすでに迷惑メール業者の犠牲になっているという人は、"本名を変える"ことで対処が可能だ。メールアドレスの@より前の部分は自由に変更することができ、変更後もメールボックスは同じ物が引き継がれるため、過去のメールが消えてしまうことはない。変更後30日間は以前のアドレス宛メールも受信できる。

Yahoo!メールで最初に付与されるメールアドレスは「ヤフーID@yahoo.co.jp」という形になっているため、メールを送った相手にヤフーIDを知られることになってしまう。「Yahoo!ブログ」や「Yahoo!オークション」など、他のサービスで自分が利用しているページをIDから特定される可能性もあるため、他人にあまり覗かれたくないという場合はアドレスを変更しておいたほうが安心だ。

アドレス変更はメールオプションの「メールアドレス変更」から行う

有料の「マイネームアドレス」(月額315円)を利用すると、@以下も独自の文字列を設定できる

セキュリティと利便性を強化する有料オプション

Yahoo!メールは基本的に無料で利用できるサービスだが、より本気で使いたいという場合は有料オプションでセキュリティや付加サービスの強化が可能だ。

ウイルスチェックサービス」(月額210円)では、メールボックスに届く前にシステム上でウイルスを検知・駆除する。メールボックスに届いている添付ファイルを開く際に検知する無料のウイルススキャンよりも、より安心だ。また、Yahoo!メールをローカルのメールソフトで利用する場合にもウィルスチェックが有効となる。

また、このウィルスチェックサービスを含めた「セキュリティーパック」(月額290円)では、セーフティーアドレスを30個まで利用でき、メールボックスの増量(2GB)、メール保存(サーバ上のメールを圧縮してローカルに保存)などの機能が利用できるようになる。

有料オプションを利用すると、メール画面の広告が非表示となる(左)。右は無料版

ここまでできれば主力のメールアカウントとしてはかなり実用的だと言えるだろう。

100円マックと100円ネットブック。どちらがおいしいのだろうか(イラスト:よっしー)

次回はさらにWebメールの長所を活かした機動力を高めてみよう。