米MySpaceがこのところ、広告や音楽サービスを立て続けに発表している。若者に人気のSNSとしては最大手であることには間違いないが、国際化戦略など課題もある。

MySpaceで米国外のオペレーションを担当するインターナショナル担当マネージングディレクター Travis Katz氏に新サービス、開発者向けサービスや国際化について話を聞いた。

Travis Katz氏

--広告分野で「HyperTargeting」「MySpace MyAds」などを発表していますが、MySpaceの広告戦略について教えてください。

HyperTargetingは、オンライン広告分野を大きく変えるものです。年齢、性別、居住地、興味があることなどのユーザーの個人情報に基づき、ブランドや広告主は関連性のある消費者に直接広告を展開できます。

我々のユーザーがMySpaceのプロフィールで公開した情報を利用して、最も関連のある広告を作成/配信します。広告主は適切なユーザーをターゲットにして広告を配信できます。

我々は10月13日、新サービス「MySpace MyAds」を発表しました。これは、中小企業を含め、あらゆる企業がMySpaceでHypertargeting技術を利用して広告を配信できるサービスです。我々のプラットフォームが持つロングテールな可能性を解き放つものです。

広告では、大きな成功を収めていると自負しています。米国では、オンライン広告の配信先として、今年7月にYahoo!を追い抜き、トップの地位についています。SNS広告支出における我々のシェアは現在、55%に達しており、2位との差は35ポイント以上開いています。昨年、我々の広告売上げは70%増で成長しました。

--開発者向けの戦略は?

MySpaceは、開発者向けにプラットフォームを開放しています。

現在、新しいアプリケーションの構築を支援するため、開発者コミュニティと協業しています。今年2月に発表した「MySpace Developer Platform」では、世界中の開発者が地元の開発者と共同でアプリケーションを開発するものです。第1号のプロジェクトとして、アジア地区でゲームコンテスト「TheGame08」を開催し、日本、韓国、中国、インドのゲームを紹介しました。コンテストは7月にスタートし、4カ国で開発されたゲームが競いました。日本からは、カヤックの「Ninja Webcam Game」が出展、最優秀賞はインドのContests2winの「youCharades」となりました。

このように、世界中で開発者コミュニティを活性化して、現在のMySpaceをさらに強化し、機能を拡大していくのが狙いです。

--御社は米Googleが始めたイニシアティブ"OpenSocial"に参加しています。ここでの取り組みを教えてください。

9月4日、OpenSocial Foundationが正式に発足しました。MySpaceからも役員会に就任しています。

MySpace Developer Platformは、MySpaceをコンスタントに進化させるのに重要で、OpenSocial Foundationにより開発者はコミュニティの中で生産性が高い方法で作業ができます。