数あるJavaScriptフレームワーク、あなたはどれをよく使う?

Webアプリケーションの開発現場において、JavaScriptは切っても切りはなせない存在だ。特に業務支援系Webアプリケーションの場合は、エンドユーザに対して「どれだけわかりやすく、入力・操作しやすいUIを提供できるか」がカギとなる。

最近ではJavaScriptフレームワーク自体に各種の用途・目的に合わせたウィジェットが増えてきており、デベロッパは自前で複雑な実装をすることなくさまざまな機能・UIを簡単に導入することができるようになってきた。

jQuery UI、Dojo Toolkit、Yahoo! User Interface Library(以下、Yahoo UI)、script.aculo.us、Ext JS……、ライセンスや稼動環境、エンドユーザの要望、デベロッパの嗜好などでさまざまな選択肢があるが、どのフレームワークを採用するにせよ、なるべく工数のバラつきがなく保守のしやすいWebアプリケーションが開発できる体制を整えておきたいところだ。

ここでは「Ajax JavaScriptフレームワークどれを選ぶべきか - John Resig比較」にも挙げられた、主要なシェアを確保しているjQuery、Prototype、Yahoo UI、Dojo、Mootoolの中から、特に最近勢いがあるjQueryと、フルフィーチャフレームワークの代表格であるDojo、クロスブラウザのサポートがしっかりしているYahoo UIの3つに的を絞ってウィジェットを紹介する。

フレームワークの概要と動作環境

まずは各フレームワークの概要に触れておこう。

jQuery・jQuery UIはGNU GENERAL PUBLIC LICENSE Version 2、The MIT Licenseのデュアルライセンスの下で公開されているライブラリ。軽量・高速でありながらメソッドチェインなど多くの強力な機能をもち、また世界中のデベロッパたちによりプラグイン等が多数公開されている。現在の最新バージョンは5月24日(米国時間)に公開されたjQuery 1.2.6と、9月19日(米国時間)に公開されたjQuery UI 1.6rc2。

一方、DojoはThe BSD Licenseの下で公開されているライブラリ。基本的な機能から豊富なアニメーション表示、JavaScriptだけで実現しているとは思えないほどの強力なインタフェースを数多く備えている。現在の最新バージョンは10月6日(米国時間)に公開された1.2。

そして、Yahoo UIはThe BSD Licenseの下で公開されているライブラリ。基本的な機能はもちろん、クロスブラウザのサポート、Dojoに負けず劣らず豊富なアニメーション表示・インタフェースを備えている。またドキュメントが非常に充実しており、提供されている機能のほとんどがデモ用サンプルとしてWeb上に公開され、APIドキュメントからたどれるようになっている。現在の最新バージョンは10月1日(米国時間)に公開された2.6.0。

なお、ここでの動作環境は次のとおり。

  • Microsoft Windows XP SP3 / Microsoft Internet Explorer 7
  • FreeBSD 8-current / Mozilla Firefox 3.0.3