【レポート】
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ヴイエムウェア 代表取締役社長 三木泰雄氏 |
ヴイエムウェアは10月6日、9月15~18日に米国ラスベガスで開催された「VMworld 2008」の発表内容をまとめた説明会を開催した。
まず挨拶を行なった同社の代表取締役社長の三木泰雄氏は、キーワードとして「クラウドコンピューティングへの対応強化」と「デスクトップの仮想化の強化」を挙げた。
また、同日付で発表された国内事例として、FXonline Japanのオンライン金融取引システムの全インフラがVMware Infrastructure 3を基盤とした仮想化環境で実現された事例と、沖縄県北谷町の住民情報システムに同社の仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)が採用された事例について簡単に紹介を行なった。FXonlineは可用性と柔軟性を高めるために仮想化インフラが利用された例であり、沖縄県北谷町はセキュリティレベル向上のために仮想化技術が利用された例となる。
続いて登壇した同社のテクニカルアライアンスマネージャーの名倉丈雄氏は、VMworld 2008の発表内容をかいつまんで紹介し、同社の戦略を説明した。同社の戦略の3本柱となるのが、"Virtual Datacenter OS"、"vCloud Initiative"、"vClient Initiative"だ。
Virtual Datacenter OSは、従来から同社が推進してきたデータセンター向けインフラとしての仮想環境のことだ。
従来のOSは、ハードウェア・リソースを制御すると同時に、アプリケーションやユーザーに対するインタフェースを提供するのが役割だったが、データセンターの仮想化が進展するにつれ、ハードウェア・リソースの制御は仮想化インフラ層の役割となり、そこでゲストOSを含むユーザー・アプリケーション環境に対するサービスとインタフェースが提供されるようになった。
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ヴイエムウェア テクニカルアライアンスマネージャー 名倉丈雄氏 |
つまり、仮想化されたデータセンター全体を1つのコンピュータ・システムと見た場合、仮想化インフラはそのOSとして稼働していると見ることができる。これが、同社が仮想化インフラを"Virtual Datacenter OS"(VDC-OS)と表現する理由だ。
ただし、VDC-OSはあくまでも概念的なもので、具体的な製品名ではない。さらに、VDC-OSでは、"Infrastructure vServices"と"Application vServices"の2つのレイヤでサービスが実装される。vCompute、vStorage、vNetwork、Availability、Security、Scalabilityといった、従来仮想化環境の運用をサポートするための支援サービスと位置づけられていた各種の機能が、VDC-OSの機能として位置づけ直された形だ。
さらに、VDC-OSはクラウドコンピューティング環境を実現するためのインフラとしても強化が図られていく。クラウドコンピューティングに関しては、その具体的な実装についてはあまり詳細が語られることはないのだが、現実には仮想化インフラの上に構築されることになるだろう。つまり、VMwareが構築済みの仮想化インフラの上にクラウドコンピューティング環境を展開する、というのが同社のクラウドコンピューティングに対する対応であり、そのために必要な機能強化を業界各社と協調して行なっていくための取り組みがvCloud Initiativeとなる。
vCloud Initiativeでは、あるクラウドで実行されていたサービスを他のクラウドに移動するなど、ユーザー・アプリケーションのポータビリティを実現していくために、仮想アプライアンスを拡張してサービスレベルの指示などを含めた新たなフォーマットの確立に取り組んでいくという。
最後に、デスクトップの仮想化についても今後対応が強化される方向だ。
同社では、従来のVDIを新たに"VMware View"と呼び変え、デスクトップの仮想化に取り組んでいくという。基本的な考え方は、従来の端末主体の考え方から、ユーザーとデータを中心とする発想に転換し、ユーザーがいつでもどこからでも任意のデータにアクセスできる環境を仮想化技術を活用して実現していく、ということになる。
なお、クライアントの仮想化に関しては、現在主流となっているホストOS上に仮想PCを作り、その上でゲストOSを動かすホスト方式の仮想化ではなく、サーバで主流となっているベアメタル・ハイパーバイザを使った仮想化製品を投入していく計画だという。
VMwareの戦略を単純化すれば、コンピューティング・インフラ全てを仮想化し、かつそのインフラを全てVMwareが提供する、という形を目指すものだと言えそうだ。これはかつてMicrosoftがWindowsを標準のインフラとして普及させ、その上に巨大なエコ・システムを作り上げたのと同様の手法と考えられる。
このときはWindowsが最下層のOSだったわけだが、現在では仮想化ソフトウェアがかつてのWindowsのような「あらゆるソフトウェアの実行を支える最下層のレイヤ」となっている。最下層のインフラを提供することの強みはMicrosoftの例からも明らかだろう。そして、VMwareがこうした方針を明確に打ち出し始めたのは、やはりMicrosoft出身のPaul Maritz氏がPresident & CEOに就任したことの影響なのかもしれない。
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