AuctionやGS Caltexをはじめ、2008年の韓国では大規模な個人情報流出事件が頻発し、ネティズンの間に不安感が広まっている。また少し以前には、セキュリティの甘い通信会社のWebサイトから個人情報が流出したり、Googleのキャッシュに個人情報が露出しているという事件もあった。とくにGoogleに関しては現在も完全に解決されたわけではなく、対策の必要性が叫ばれている。

そこで韓国政府の放送通信委員会および企画財政部は、インターネット上での個人情報流出を防ぐための対策を発表した。2機関は共同で「個人情報流出・露出対応体系構築」事業を、2009年から推進する。

これに先立ち、放送通信委員会傘下の韓国情報保護振興院(KISA)で、Googleのデータベースを検索してみたところ、住民登録番号(韓国国民全員に与えられる、13桁の番号)が露出しているWebサイトがいくつか見つかったという。KISAでは即座に該当サイトとGoogleに連絡をし、露出情報の削除を要請している。

放送通信委員会では「Googleは情報検索速度の向上のため、各Webサイトを一定周期で、あらかじめ検索しデータベースに保存しておく」ため、こうした事態が起きると説明している。

しかしKISAが削除要請できるのは、あくまでGoogle上に露出しているものに限っており、Googleのデータベースに入っていなければ、そのままの状態で放置されている可能性もある。またGoogleのような方式の場合、一時的に個人情報が削除されても、データベースアップデートの際に再度登録される場合もあるという。

Googleのデータベースに住民登録番号が露出しているケースに限らず、セキュリティの甘い企業などのWebサイトから、口座番号や携帯電話番号など、様々な情報が流出するケースも少なくない。

そこで放送通信委員会などは、WebサイトやGoogleのデータベース上で、住民登録番号や口座番号、携帯電話番号などの流出・露出がないか、モニタリングするシステムを構築することを決定している。

またとくに個人情報が頻繁に流出するWebサイトに関しては、より体系的な管理システムを適用するほか、ポータルサイトなど主要なWebサイトを連携して、個人情報流出点検などを遂行することも、対策に盛り込む見込みだ。

ショッピングからバンキング、ゲーム、同好会活動など、なにかと本人確認して会員加入することの多い韓国。そこで個人情報流出の初期発見と早期対策によって、個人情報の大規模な流出・露出を防ぐことが、対策の主目的だ。大きな事件が数回発生した後の対策構築は、やや後れを取った感もあるが、2009年の早いうちに対策が完成することがのぞまれる。