Hyper-Vの運用の概要

Hyper-Vを運用するためには、仮想マシンを作成し、仮想マシンにOSをインストールして、それぞれの仮想マシンを独立したコンピュータとして活用します。仮想マシンを作成するときに特に重要なのは、割り当てるメモリ量、仮想HD(ハードディスクドライブ)、ネットワーク構成の3点です。 仮想マシンが使用するメモリは物理メモリを割り当てるため、各仮想マシンとホストOSが使用するメモリ量の合計が物理メモリ容量を超えることはできません。

仮想HDはホストOS上ではファイルとして扱われます。仮想HDファイル(VHDファイル)は、Virtual Server 2005 R2やVirtual PC 2007とも互換性があります。 ネットワークに関しては、コンピュータの物理ネットワークインタフェースにアクセスする構成や、物理ネットワークから隔離した仮想ネットワークを構築する構成を使用できます。

仮想マシン作成

Hyper-Vで仮想マシンを稼働させるためには、仮想マシンを作成しなければなりません。

(1)Hyper-Vで仮想マシンを作成または管理するには、サーバーマネージャのコンソールツリーから、[役割]→[Hyper-V]→[Hyper-Vマネージャ]→[(コンピュータ名)]を展開します。

(2)右ペインの操作ウィンドウで、[新規]→[仮想マシン]メニューをクリックし、仮想マシンの新規作成ウィザードを起動します。

仮想マシン新規作成ウィザードを起動。

(3)ウィザードの説明を読み、[次へ>]ボタンをクリックします。

(4)仮想マシン名を入力します。既定の場所以外に仮想マシンを作成するときは、[仮想マシンを別の場所に格納する]チェックボックスをオンにし、格納場所のパスを設定します。

作成する仮想マシン名を入力。

(5)仮想マシンに割り当てるメモリ量を指定します。コンピュータの物理メモリを親パーティションと各子パーティションで分割して使用するため、各パーティションが使用するメモリ量の合計が物理的な搭載メモリ量を超えることはできません。

仮想マシンに割り当てるメモリ容量を設定。

(6)接続するネットワークを選択します。設定は後で変更できますので、とりあえず既定値のままでかまいません。ネットワークの構成については後述します。

(7)仮想HDを作成します。既定の設定では「C:\Users\Public\Documents\Hyper-V\」以下のフォルダに仮想HDを作成しますが、少しでもパフォーマンスを向上させるには、システムドライブ(Cドライブ)のあるHDとは別の物理HDに仮想HDを作成し、コンピュータの物理HDアクセスをなるべく分散させます。既存の仮想HDファイルを割り当てるときは、[既存の仮想ハードディスクを使用する]をクリックして、パスを入力してください。

仮想マシンが使用する仮想HDを設定。

(8)仮想マシン作成後、すぐにOSを仮想マシンにインストールするときは、インストールメディアの割り当てを設定します。後でOSをインストーするときは、仮想マシンを起動するときに、インストールメディアを割り当てます。設定したら[次へ>]ボタンをクリックします。

仮想ドライブにインストールメディアをマウント(挿入)。

選択肢 説明
後でオペレーティングシステムをインストールする 仮想マシンを作成するだけで、OSをインストールせずにウィザードを終了します。
ブートCD/DVD-ROMからオペレーティングシステムをインストールする 物理CD/DVDドライブまたはISO形式のCD/DVDイメージファイルをマウントして、仮想マシンからCD/DVDドライブとしてアクセスできるようにします。ISOイメージファイルを指定すると、イメージファイルから直接仮想マシンにOSをインストールできます。
ブートフロッピーディスクからオペレーティングシステムをインストールする 物理フロッピーディスクドライブまたは仮想フロッピーディスクをマウントして、仮想フロッピーディスクからOSをインストールできます。
ネットワークベースのインストールサーバーからオペレーティングシステムをインストールする ネットワークブートを有効にして、ネットワークブートでOSをインストールできます

(9)ここまでの設定を確認したら[完了]ボタンをクリックします。  手順(8)ですぐにOSをインストールするように設定したときは、仮想マシンの新規作成ウィザード終了後、すぐに仮想マシンを起動します。