「リモートアドミニストレータ Radmin 3.2」はFamatech社が開発、日本ではコージェンメディアがローカライズと販売を手掛けている、Windows用のリモート制御用ソフトウェアだ。 Windows自体、もともとリモートデスクトップによる遠隔管理が可能であり、それ以外にもさまざまなリモート管理用ソフトウェアが出回っているが、それらと比較して「リモートアドミニストレータ3」にどういったアドバンテージがあるのかを、実際に検証してみよう。

Windowsサーバ標準のリモートデスクトップはセキュリティ上問題

サーバの運用に際しては、リモート管理機能を必要とする場面が多くなっている。セキュリティを考慮してサーバをサーバルームに格納する、あるいはインターネット向けにサービスを提供するためのサーバをデータセンターに設置する、といった事例が典型例だ。サーバが目の前にあれば、そこに行って操作すればよいが、サーバが別の場所、あるいは遠隔地に設置してある場合には、それができない場合が多い。そこで、サーバの運用に際してはリモート管理機能が重要になってくる。

Windowsサーバの場合、MMC(Microsoft Management Console)ベースの管理ツールは、たいていログオン中のユーザーが管理者権限を持っていれば、ネットワーク経由で他のサーバをリモート管理できる。また、Windows Server 2003からはリモートデスクトップ機能が加わったので、個別の管理ツールで別々にリモート接続する代わりに、遠隔地にあるサーバを手元にあるサーバと同じ感覚で操作できるようになった。

リモートデスクトップはWindowsサーバが標準装備している機能なので、追加の費用や導入作業の負担がない利点がある。また、画面表示設定に工夫することで、アナログモデムを用いたダイヤルアップ接続やISDNのような低速回線を通じて接続する場合でも、それなりのレスポンスを得ることができる。

しかし、リモートデスクトップは通信を暗号化していないため、やりとりする内容を通信途中で傍受できる問題がある。やりとりしているデータはキー入力やマウス操作、それを受けた画面の書き換え、といった内容だが、特にキー操作の内容が読み取られる可能性があるのは、セキュリティを考慮すると好ましくない。インターネット経由のリモート接続ならなおさらだ。

また、Windows XPやWindows Vistaではリモートデスクトップを使ったリモート接続を行えるエディションが限られており、リモート接続中はローカルログオンを行えない制約もある。