セキュリティベンダのイスラエルCheck Point Software Technologiesは4月15日から2日間、チェコ・プラハで欧州顧客向け年次カンファレンス「Check Point Experience 2008 EMEA」を開催した。4回目となる今年は、欧州や中近東を中心に顧客やパートナーが1,100人参加した。

セキュリティ業界では統合の波が押し寄せているが、ファイアウォールからスタートしたCheck Pointはどのような戦略なのか? 創業者兼会長兼CEOのGil Shewd氏が会場の質問に答えた。

Check Point CEOのGil Shewd氏

セキュリティ業界の統合は今後も進むが、非セキュリティ企業の役割には疑問も

セキュリティ業界はここ数年、統合が進んでいる。大きなものでは、米EMCによる米RSA Securityの買収、米IBMによる米Internet Security Systems(ISS)などがある。

Check Point自身も、米ZoneAlarm、スウェーデンPointSecなど小規模企業を買収して製品ポートフォリオを拡大してきた。Shewd氏は現在のセキュリティ業界をどうみているのだろうか?

「セキュリティはホットなトピックスとなった。統合はさらに進むだろう」とShewd氏は言う。

「現在のトレンドは、セキュリティ企業が非セキュリティ企業に買収されるというものだ。だが、これが今後も継続するかどうかはわからない。買い手はそれほど残っていない」とShewd氏。さらには、「非セキュリティ企業による買収は、セキュリティ業界にとってよいこととは思わない。セキュリティ企業が非セキュリティ企業に買収されると、セキュリティへのフォーカスが弱くなり、戦略を実践できなくなるからだ」と続ける。

Shewd氏が挙げたもうひとつのトレンドは、大手セキュリティ企業による小規模なセキュリティ企業の買収だ。大手が機能を付加するために、ニッチ分野で技術を持つプレイヤーを買収するというものだ。

Check Pointも後者のパターンでいくつかの企業を買収している。「我々はイノベーションを歓迎する。新しいアイデアをもたらす」と述べ、今後も必要に応じて買収戦略をとる姿勢をのぞかせた。

「セキュリティ企業は多すぎる。現在、1種類のセキュリティ脅威に対し、技術やソリューションを提供するベンダは2社以上あり、IT管理者の負担が増している」とも述べた。