ジャガー&ランドローバージャパンは、4ドア5シーターのミディアムサイズスポーツサルーン「JAGUAR XF」を5月16日より発売する。グレードはV6 3Lエンジンを搭載する「XF 3.0 Luxury」と「XF 3.0 Premium Luxury」、V8 4.2Lの「XF 4.2 Premium Luxury」、スーパーチャージャー付きV8 4.2Lを搭載する「XF SV8」の3タイプが用意され、すべてにステアリングハンドルに装着されたパドルによるギアチェンジが可能な6速ATが組み合わせられる。価格は650万円~995万円。ハンドルはXF 3.0 Luxuryは右ハンドルのみ、そのほかのモデルには右ハンドルと左ハンドルが用意される。
JAGUAR XFシリーズは、2007年9月のフランクフルトショーで発表され、10月には東京モーターショーにも出品された。10月24日には発売予定価格が発表され、すでに先行予約受付を開催している。
同社のデービッド・ブルーム代表は、発表会の挨拶でまず、フォードによりジャガーとランド・ローバーが印タタに売却された件について報告。売却は第2四半期中に完了することが見込まれているが、エンジンや技術などは継続して提供されることが契約の一部とされており、今後もジャガーとランド・ローバーの製品開発はフォードによってサポートされるという。今回、ジャガーとランド・ローバーを買収したタタはインドでGDPの3%以上に寄与し、買収した企業を最大に成長させる実績があるとした。
続いて本日発表されたXFについて語り、XFはジャガーのブランドおよびそのビジネスを再活性化する使命をおびている。そのデザイン、エンジニアリング、パフォーマンス、そしてドライブへのアピールにおいて新しいジャガーの精神を表現し、XFは真の美しく速い車と締めくくった。
XFシリーズは、革新的な製品コンセプトに基づいて設計され、同社のスポーツモデル「JAGUAR XK」の"Beautiful Fast Cars"というコンセプトを継承して、Cd値0.29という空力性能と大人5人がゆったり乗れるキャビンスペースと500Lのラゲッジスペースを実現し、人数分のゴルフバッグの積載が可能になったという。インテリアには、レザーやウッドなどの伝統的な素材に加え、アルミニウム素材を組み合わることで、コンテンポラリーでスポーティなインテリア空間としたという。また、業界初の新設計ダイヤル式シフトセレクター「JaguarDriveセレクター」でギヤ操作性を向上し、シンプルなセンターコンソールデザインを実現したという。エンジンを始動すると、JaguarDriveセレクターがコンソールからせり上がり、ダッシュボードのエアベントが回転して開くなどのスタートアップシークエンスも演出されている。
サスペンションはXKシリーズ用をXF用にチューンして搭載したほか、前後ブレーキはXKと同じものを採用した。また、XKに初採用された歩行者接触感知システム「ディプロイアブルボンネットシステム」を第2世代に進化させ、歩行者の負傷を軽減しながら低いボンネットラインを実現したという。
エンジンマネージメントシステムとブレーキシステムに介入することで、ゼンリンのグリップを禍福させるアンダーステアコントロールロジックを初採用。また、XKに似た2段階のダイナミックスタビリティコントロール(DSC)を備え、さまざまな路面環境での走行安定性を高めた。SV8には自動シフトアップをキャンセルする機能を備えたほか、ドライバーが素早くスロットルペダルを戻すとブレーキシステムの油圧を高めて、ブレーキのレスポンスと制動距離を短縮するブレーキプレフィル機能も搭載する。また、全モデルにリバースパーキングコントロールを装着し、3.0 Premium Luxury以上のモデルにはリアカメラパーキングエイドを搭載する。
オーディオは140W 8スピーカーと320W 9スピーカーに加え、XF専用に開発されたB&W社の440W 14スピーカーサラウンドシステムも用意される。また、全モデルでiPodやMP3プレーヤー用のインタフェースを標準装備し、タッチスクリーンでプレーヤーをコントロールできる。また、全車にBluetooth機能を標準搭載し、ハンズフリー通話機能を提供する。