韓国情報文化振興院(以下、振興院)は4日、「2007 インターネット中毒実態調査」の結果を発表した。調査は、全国の9~39歳のインターネット利用者5,500人を対象に行なわれ、18歳までの未満の青少年は1,776人、19歳以上の成人は3,726人となっている。
振興院ではインターネット中毒の水準を、3つの段階に分けている。1つめは、インターネットに触れていないと不安感や焦燥感を感じ、禁断症状などが出る、もっとも深刻な症状である「高危険使用者群」、2つめは、高危険使用者群ほどではないものの、インターネットがなければ物足りなさや、ちょっとした不安感を感じる「潜在的危険使用者群」、そしてインターネットを使わなくても、とくに不安感などを感じない、つまり中毒症状のない「一般使用者群」の3つだ。
調査では、青少年の場合、高危険使用者群が2.3%、潜在的危険使用者群が12.1%と、いずれも2006年の調査よりも高い数値を示していることが分かった。成人の場合は、高危険使用者群が1.4%、潜在的危険使用者群は5.1%と、2006年よりも減少傾向となっている。
青少年たちをインターネット中毒にする要因の1つに、ゲームが挙げられる。とくに韓国ではオンラインゲームが盛んなお国柄、ユーザーの心をとらえて離さない質の高いゲームが多いため、自然とオンライン状態である時間も長くなる。
今回の調査で、インターネットを使用する目的としてゲームを挙げた青少年は46.3%にのぼった。成人が17.4%であることを考えれば、大変高い数値であることが分かる。そしてこうした青少年たちが、いつからオンラインゲームを始めるのか聞いてみたところ、50.7%が小学校3年生までと答えている。オンラインゲームの多様化で、幼い子どもでも簡単に操作できるゲームも増えており、こうした傾向がゲーマーの低年齢化を進めているようだ。
今回はインターネット利用者の心理状態を把握するため、心の状態に関していくつか質問を投げかけている。それによると、高危険使用者群ほど、憂鬱度やストレスが多いことが分かった。こうなってしまう要因の1つとして考えられるのが、孤独な状態だ。高危険使用者群ほど、家族とともに過ごしたり、外出したりする機会が少ないという結果が出ている。
もちろん今回の結果が、すべてのインターネット中毒者を表しているとはいえないが、1つのパターンであり、指標になるといえる。オンライン上にはゲームやチャット、ブログなどにより、一見数多くの仲間がいるように見えるが、結局は孤独を感じているという、インターネット中毒者の精神状態が調査から見えてくる。