Nokia N95はインターネットサービスとの連携やメディアプレイヤー機能を強化した、Symbian OS/S60を採用するスマートフォンであり、Nokiaが海外の主要市場で販売している。通信方式はW-CDMAで、HSDPAにも対応している。

スライド形状のNokia N95。閉じた状態では携帯電話というよりメディアプレイヤーライクなスタイルをしている

同社のNで始まる型番のモデル「Nseries」には、N7x、N8x、N9xの3つのラインナップが存在している。日本でも「Vodafone 804NK」としてN71が、「Softbank 705NK」としてN73が発売されたが、どちらも機能としてはベーシックなモデルであった。一方N95はNseriesの上位モデルという位置づけでもあり、無線LANの搭載や、専用の音楽再生キーを備えるなど機能は大幅に強化されている。今回は、カメラ機能を強化した同じコンセプトの機種であるN73との比較を交えながらN95のレビューをお届けしよう。

特徴的な外観 - デュアルスライド機構

Nokia N95の形状はスライド型で、スライドを閉じた状態のサイズは99×53×21mmとタバコの箱程度である。液晶画面下には選択キーを中心として発着信キーやメニューキーなどが一体化されたデザインでレイアウトされており、携帯電話というよりもメディアプレイヤーのような外観をしている。この状態からディスプレイ部分を上方向にスライドさせればテンキーが現れ文字や数字の入力が可能になる。

画面を上にスライドさせるとテンキーが現れる。Nokia N73(Softbank 705NK)より若干幅広だが、液晶下部のキーを操作するにはこれくらいの幅があったほうが扱いやすいようだ

ここまでは一般的なスライド型携帯電話と同じだが、N95は逆向きにも2cm弱ほどスライドさせることができる。ディスプレイ部分を下方向へスライドさせると音楽再生専用の独立したボタンが現れ、また同時に液晶画面表示も右に90度横転し、本体を横向きに持って使うスタイルとなる。左手で音楽再生ボタンを、右手でメニュー関連キーを自然に操作することが可能となり、音楽やビデオ、写真などを視聴しやすいデザインになるわけだ。さらに本体の両側面にはステレオスピーカーを備えており、単体でステレオ再生が可能である。また外部コネクタは独自形状でなくminiUSB端子となった。外部機器との接続は他に赤外線とBluetoothを搭載している。

下にスライドすると前曲/再生・一時停止/停止/次曲の4つの音楽再生ボタンが現れる。画面表示も横転するため本体を横方向にして利用するスタイルとなる

N95の外部端子はminiUSBコネクタとなった(上)。N73などが採用していたNokia独自のPop-port(下)は予備品の入手が困難だっただけに朗報だ