一方、こうした検索エンジンの新たな動きに対して木村氏は「リンクが自然発生する仕組みを作る必要がある」とし、そのための4つの施策を提言した。

木村氏が提言する4つの施策

まず1つ目の施策として掲げられたのは、"Webサイトに魅力的なコンテンツが存在すること"。エンターテイメント性を高めたコンテンツを制作し、人に紹介したくなるサイトが必要だとした。また、そのためには、万人ウケよりもややターゲットを絞ったほうがより評価されてリンクされやすい傾向にあるという。

2番目は、トラックバックキャンペーンを行うなど、リンクすることでユーザーに報酬を与える、リンクを促進する施策を取り入れる方法だ。

3番目は、音声や動画、PDFファイルなどの持ち出しを可能にし、コンテンツを外部に配信させることにより、第三者に紹介してもらう方法。ユーザーにひと手間加えさせることにより、"紹介したい"と思わせる心理が働き、ふつうにコンテンツを作るよりも効果が高いやり方だと解説した。

4番目の施策は"ユーザーとのコミュニケーションが取れる仕組み作り"。これは、ユーザーとのつながりを強化して、クチコミ効果を狙うもので、代表的な例がブログだ。コメントやトラックバックを利用して、頻繁にコミュニケーションを取ることにより、親近感や高感度を上げる効果で、被リンク数のアップを狙う。しかしながら、一時期トラックバックスパムが横行したため、Yahoo!ではトラックバックを評価しなくなっているといいう。コメントやトラックバックの活用は、ステークホルダーとつながっていくことにより、CGMとコミュニケーションを確立すること狙いであり、「重要なポイントは記事の中からリンクをつけてもらうこと」(木村氏)にある。

最後に、セミナーのまとめとして木村氏は「検索エンジンは今、非常に賢くなっている。SEO対策のためだけにリンクをするというのは、いずれ操作されてしまう可能性がある」と警告し、これからのSEOは、魅力あるコンテンツを提供するなど、"リンクしたい"と思わせるようなWebサイト、サービスを意識して展開していくことがSEOにおいて最重要になると語り、サイバーエージェントでもコンテンツレベルからのSEOを提供していくという。

手間と効果を考えた施策を!