1 ニフティ マッシュアップ/Web 2.0の時代へ - @niftyのWebサービスAPI公開

ニフティは8日、「@nifty」で提供している各サービスのAPI仕様を公開すると発表した。これによって外部の開発者も同社が提供しているWebサービスを使ったアプリケーション開発が可能になる。同社はデベロッパ向けサイト「@niftyウェブサービス」を同日から公開し情報提供を開始した。

図1.1 @niftyウェブサービス - 開発者やパートナーにWebサービスAPIやコミュニティ情報を提供

発表と同時にAPIが公開されるサービスは「@nifty TimeLine β」「アバウトミーβ」「@nifty トピックイット」の3つ。今後もAPIを公開するサービスを順次増やしていくとしており、公開されるAPIは@niftyウェブサービスにおいて一元的に提供される。同サイトにAPI公開情報を集約することでデベロッパの利便性向上を狙うようだ。また同サイトを通じてフィードバックの獲得や、APIを活用するデベロッパ、パートナーを支援するとしている。

@niftyウェブサービスでは、同サービス公開以前に実施された開発合宿の様子や、合宿中に開発されたWebサービスの情報も公開していくとしており、デベロッパのみならず個人から企業、サービス担当者といった幅広い対象に対して交流の機会を提供していくようだ。

2 API公開の背景にあるものは - ニフティスタイルと集合知、ニフティも仲間にいれて

Webサービスはその趨勢として、人々の集合知という流れになると見る向きも多く、今回のAPI提供はそうした時代の趨勢をとらえたものだといえる。同社はパソコン通信NIFTY-Serveの時代からデベロッパと連携をとってきたという歴史があり、今回、同社が提供しているWebサービスをAPIという形で提供した背景には、こうした歴史も背景にあるといえる。

ニフティ サービスビジネス事業本部、イノベーション・ラボゼネラルマネージャー 中泉隆氏は「社内に閉じた環境では創造の限界がある。コラボレーションで得られるものがあるのではないか。新しい発想やアイデアはユーザが作っていく時代だ。そういう中でサービスを作る側で何ができるのかと考えた場合に、今回のAPI公開がある」と説明する。

中泉氏は「ぶっちゃけ、マッシュアップされる対象に仲間入りしたい」と笑いながら話す。同氏は@niftyウェブサービスを気軽にサービスが作れる環境とツールを提供するものとし、社外のエンジニアが自由に開発するための情報サイトとして整備していくと説明する。外部のエンジニアとのコミュニケーションを大事にし、サービスの担当者と実際にAPIを活用したいエンジニアがダイレクトにコミュニケーションをとっていく。また、可能であれば共同で開発合宿や勉強会を開催したいと考えているという。「お遊びかもしれないが、そういったプロセスそのものを楽しんでいきたい」「結局のところ、外部のエンジニアとの信頼関係が築けるといいのかなとおもう」と同氏は説明する。

3 公開されたAPIは最初の試金石 - 順次公開APIを増やす

今回「@nifty TimeLine β」「アバウトミーβ」「@nifty トピックイット」の3つが公開されたわけだが、これらは同社が提供しているサービスのなかで特にオリジナリティが高く、しかもユーザ参加型サービスで、開発スタイルもアジャイル型のものだからという理由があるようだ。TimeLineとアバウトミーはRuby on Railsで、トピックイットはPHPで開発されている。

今後はユーザが参加するコミュニティサイトを中心に順次提供する情報・APIを拡充していく方針だ。また、こうしたAPIでは認証系が重要になってくるわけだが、どういったスタイルで認証機能を提供していくかは現在検討している最中であり、今後その点について同社から情報提供があるとみられる。

公開されたWebサービスAPIの利用許諾は、ほかのWebサービスAPIと同様に自由に使えるもののようだ。商用利用する場合には一報ほしいという。APIは基本的にHTTPリクエストの形式で提供される。特定のURLに規定されたパラメータを設定することで、APIからの出力結果をXMLデータとして取得できるというものだ。次ページで公開されたAPIについて簡単に紹介する。