毎年この時期になると、Appleスペシャルイベントの発表内容についていろいろなウワサが飛び交います。特にiPhoneに関しては事細かなスペックにまで言及されるのが通例です。現時点で出ているウワサについてまとめました。

名称については確定ではありませんが、本記事中では便宜的に「iPhone 13」と呼称します。

発表会は9月14日、発売は24日?

この数年、秋の発表会は9月第2週の火曜日、新型iPhoneの発売は翌週末というパターンが多かったようですが、昨年はパンデミックの影響でiPhoneの発売が遅れ、変則的な日程になりました。今年は元のパターンに戻り、9月14日(火)にイベント開催、24日(金)に発売となる可能性がウワサされています。

  • すっかりお馴染みになったApple本社からの収録配信によるイベント。今回もこのスタイルで実施されると見られます。

今回もイベントはオンラインで実施されることが予想されます。先日、Appleの副社長Lisa Jackson氏がTwitterのプロフィール画像に設定した写真から、スティーブ・ジョブズシアターで何らかの作業が行われていた様子がうかがえると指摘されています。

デザインは現状維持? マットカラーに指紋のつきにくい表面加工?

iPhone 6シリーズ以来ラウンドだった本体側面の形状が、iPhone 12でフラットになりました。iPhone 13では基本的にこのフォルムを引き継ぐものの背面カメラ周りが多少変更されるとのウワサが出ています。カメラの出っ張りがもっと大きくなるかも? 逆に、前面カメラのノッチは小さくなる(一説にはなくなる)かもしれません。

モデルは昨年と同じ、Pro Max/Pro/無印/miniの4つがラインアップされる見込みです。昨年初めて登場した「iPhone 12 mini」は、バッテリー性能などを理由に評判がいまいち芳しくない様子もありましたが、Appleはここで諦めず、今回もminiモデルが投入されると予想されています。

  • 一時はなくなるのでは? ともウワサされたminiですが、今回は生き残る模様。

カラーは、汚れや指紋のつきにくい新しい表面加工を施した、マットなブラックの存在がウワサされています。不確かではありますが一部ではオレンジ、ピンク、ブロンズっぽいカラーのウワサもあるようです。

充電ポートは継続してLightningが搭載される見込みです。USB-Cに対応しないの?! との声がこの数年毎年聞かれますが、来年以降、それを飛び越えて「ポートなし」=MagSafe充電のみのモデルに移行する計画がウワサされています。もしそうなるとしたら、急速充電やデータ転送に課題が残ります。過渡期となる今年のモデルに、何らかの解決策は提示されるのでしょうか。

  • iPhone 12から搭載されたMagSafe充電。便利ですがベストとは言えない現状の立ち位置から、どこまで浸透できるかが課題。

USB-Cは防水性能に課題があるから、MFi認証*の利益を捨てられないからなど、Lightningをすぐに廃止できない理由に関する憶測も飛び交っています。

※MFi認証=サードパーティ向けの「Made For iPhone/iPad/iPod」アクセサリ認証プログラム

A15チップ搭載、ディスプレイは120Hz?

次にスペック面です。チップは現行の「A14 Bionic」から「A15 Bionic」へとアップデート。すでに2021年5月末頃より生産が開始されているとの情報があります。A15は、A14と同じ5nmプロセスでの製造が予想されています。

性能アップについては、処理速度が5%だったり20%だったり、電力効率も10%だったり30%だったりと、説にバラつきがあります。ただし、GPUについては4コアから5コアに増えることで大幅な向上が期待できるとの見方が濃厚です。

  • 世界的な半導体不足によりAndroid端末の製造事業者が苦しむ中、iPhoneのチップはしっかり調達済みの模様。

ディスプレイはiPad Proと同じリフレッシュレート120Hzの「ProMotionテクノロジー」に対応する模様。動画やスクロールの動きがより滑らかに表示されます。下記は初めてiPad Proに120Hzのディスプレイが搭載された際の比較動画です。

また、表示の書き換えに必要な消費電力を低減できる低温ポリシリコン(LTPS)ディスプレイの開発に関する情報が昨年6月に流れており、それが今年のモデルに搭載される見通しです。Apple WatchではすでにSeries 4からLTPSが採用されており、iPhoneもApple Watchと同じく常時表示に対応する可能性も考えられます。

バッテリー容量は全モデルで増えると見込まれていますが、駆動時間への恩恵は大きくなさそうです。ストレージについては、ついに1TBモデルが登場するとのウワサがあります。映像制作分野で撮影に用いられていることを考えると、必要なアップデートと言えるでしょう。

広角カメラの画素数は現行の5倍に?! シネスコ撮影可能に?

iPhone 13「Pro」系統のカメラは、iPhone 12 Pro系統と同じ3カメラシステムが搭載されるとの見方が濃厚です。ただ、シネスコ画角で撮影できる「アナモルフィックレンズ」が搭載されるとのウワサもあり、微妙なところです。

  • 4カメラのウワサもありますが、デザイン的にどうなの? という声も。

カメラの画素数は広角が1,200万画素から6,400万画素へ、望遠と超広角が4,000万画素へと大幅に高画質化する可能性があります。光学ズームは望遠が3倍と5倍、超広角が0.25倍に対応。レンズの口径も大きくなり、一層の画質向上が期待できそうです。

iPhone 12ではProモデルのみだったLiDARセンサと、RAW画像の撮影ができる「Apple ProRAW」が全てのモデルで使用可能になることが期待されます。

通信は日本でも「ミリ波」対応に?

iPhone 12シリーズは全モデル5G通信に対応していましたが、超高速通信が可能な「ミリ波」が使えるのは米国内のみ。日本で使えるのは実質的に4Gの延長である「Sub 6」周波数帯に限られていました。

それが、iPhone 13ではより広いマーケット向けに「ミリ波」対応モデルが出荷されるとウワサされています。「ミリ波」は障害物や空気中の水蒸気に弱いので、対応エリアはアンテナ近くのスポットに限られますが、国内でも徐々に対応箇所が増えてきています。

ウワサが現実であれば、カメラ性能や5Gミリ波対応など、iPhoneが弱いとされていた部分がだいぶ充実することになりそうです。