女優の前田敦子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、6月1日(通常と異なり13:40~ ※関東ローカル)に放送される『みんなで生きていく~元ギャルとシングルマザーの家~』。母子家庭のためのシェアハウスを東京近郊9カ所で運営する山中真奈さん(38)の奮闘を追った作品だ。
真奈さんの人を巻き込む力に「素晴らしいなと思いました」と感服しながら、自身が実践している連続ドラマにおける現場のチーム作り術を紹介。さらに、シングルマザーの立場として感じたことを語ってくれた――。
シングルマザーに代わる“親戚のお姉さん”的存在
真奈さんは自らもハウスの一つに住み込み、夕食の準備や保育園のお迎えなど、働いている母親に代わり、子どもの面倒を引き受けている。子どもたちにとっては、まるで“親戚のお姉さん”のような存在だ。
10代の頃は、いわゆるギャルで、家族とうまく関係を築けず、夜の街で過ごすことが多かったという真奈さん。自分の居場所を見つけられず、苦しむ人を、たくさん見てきたという。さらに、シングルマザーの育児放棄によって起きた幼い子どもの餓死事件を知り、8年前に始めたのが、このシェアハウス事業だった。
2024年3月、真奈さんは新たな挑戦を始める。築40年ほどの古びたアパートを改修した新しい形の母子家庭用の家を作るというのだ。業者に頼むお金はないため、材料集めから、実際の作業も自らの手で行うしかなかった。しかし、そんな真奈さんの元に、計画を知った人たちや近所の子どもたちが、続々と集まってくる――。
恥ずかしい姿や隙を見せると、心を開いてくれる
真奈さんの姿を見て、「すごく素敵な人生で楽しかったです。挑戦する姿勢が勉強になります。言葉だけではなく、行動に移すということにみんなが刺激されているのが、すごくよく分かりました」という前田。
この“行動に移す”ことは、「一番勇気のいることで、一番難しいことだと思うんです。でも“とりあえず動こう”という姿勢を見て、いろんな人がどんどん集まってくるのが、素晴らしいなと思いました」と捉える。
先日放送された『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)では、早口言葉を噛んだら座っているイスが爆発するゲーム「ボムマジ爆発」に、ドラマ『人事の人見』キャストとともに参戦。その際、多少の甘噛みを強行突破して松田元太、松本まりからを剛腕で引っ張っていく姿が大いに話題となった。
こうした“チーム作り”は真奈さんに通じるところがあるのではないか、と聞いてみると、「おそれ多いですが(笑)、連ドラって数カ月の間ですが一つの家族みたいになっていくことも作品づくりだと思っているので、みんなで仲良く楽しい空気を作るというのは、気をつけるようにしています」と回答。
そのために、「とりあえず最初に自分の弱さを見せられる状態を作るようにしています。カッコつけるより、むしろ恥ずかしい姿や隙を見せると、みんなが心を開いてくれるきっかけになると思っているんです」と意識しているそうだ。
「私は人としゃべるのが得意なほうではないのですが、仕事現場だとそうやってスイッチを入れることができるようになりました。すごく寡黙な人も、ちょっとつついたらハッピーな顔をしてくれて、“なんだ、話しかけてほしかったんじゃん!”という感じがどんどん広がっていくんですよ。今回の現場は、主役の松田くんも年下なので、私がそういう空気を作る立ち位置でいられたらと思ってやっていたら、ここまで仲良くなりました(笑)」