
5月25日(日)の放送では、リスナーから届いたさまざまな相談に、江原がアドバイスを送りました。
江原啓之
<リスナーからの相談>
私の部署にいる社員は、管理職である私の指示を聞きません。何かとできない理由をつけて、役目を逃れようとします。ひどいときには、こちらの呼びかけに返事もせずに、知らないふりをします。
ただ、コミュニケーションを取るのが苦手な人なので、かわいそうかなとも思います。しかし、素直さがなく、結局、私が自分で作業をやる羽目になります。私の前任者も数年間かけて改善を試みたそうですが、聞く耳を持たず今日に至っているそうです。
前任者は、時には叱りつけていた様子だったものの、本人はいまだに前の上長の陰口を言っている始末です。何とか、この社員に向上心を持って、仕事に取り組んでほしいのです。人を変えることは簡単ではなく、仕事を楽しくしたい私の小我(※個人的な狭い範囲に閉じこもった自我)かなとも思います。こんな私にアドバイスをいただけましたら幸いです。
<江原からの回答>
江原:ということですけれども、協子さんは会社を経営されていらっしゃいますよね。こういった方に対して、いかが思われますか?
奥迫:お仕事は「仕」える「事」と書くけれども、「志」す「事」で「志事(しごと)」だと私は思っているんです。相談者さんの部下の方は、仕事に対して楽しさとかやりがいとか、「これをやることで人の役に立っているんだ」という、そんな実感があまりないのかな? と思いました。
自分の作ったものが「どのように誰かの役に立っているのだろう」と思ったり、人の笑顔を見たり、そうでなくても職場の人から「助かってるよ!」と声をかけてもらったり、そういうことがあるとやりがいを感じられると思うんです。そういったことが、この職場にあるのかな? と想像してしまいました。
江原:確かにそうですね。協子さんの会社のように志すことがあれば良いのですが、仕事上で志すことがない会社もあるんですよね。今の時代ってやりにくいですよ。何かきつく上司が言えばパワハラとか言いますし、ただただ我慢して勤めてお給料もらって、「自分の趣味ができれば良いなぁ」なんて思いで働いている人も、けっこういるんですよ。
そうすると、まともに働こうという気が、そもそもない人がいるんです。その共通言語を持ち合わせない人が、世の中にはたくさんいると思いませんか? 例えばこの収録スタジオにいる人たちは技術職なので、自分で志した仕事をしている人が多くて、仕事上でのやりがいも求められると思うんです。一方で、別に何の興味もなく営業職や事務職をやられている方もいますよね。
ただ、これだけは言えると思うんですよ。義務は果たさなきゃいけない。お給料をもらっているのだから、お給料分は働かないと。そういうふうに言うしかない人もいると思うんですよ。この上司の方は、要するに社員が給料分の働きもしていないと思っているから、こうおっしゃっているのだと思います。その場合には、あの手この手を使って「あなたの給料分は働いてくれますか?」と伝えなくてはいけません。
奥迫:「義務を果たさなきゃ」というのはわかるのですが、そのなかに楽しみや、やりがいを少しでも見い出せたら……。
江原:それはよくわかりますよ。わかるのですが、そうした気持ちがわからない人からすると、私たちが言うようなことは「何、言ってるんだよ」という話になってしまうことは確かです。人は本当にそれぞれだから、難しいです。
上司になるのは、親になることと一緒です。だから、育てるつもりでいるしかない。やっぱり、親になったり、人の上に立ったりすることで人間は成長できるんですよ。子どもさんを見るようなつもりで、部下には、自分が楽しく仕事をしている姿を見せていくのが良いのではないでしょうか。
江原啓之、奥迫協子
●江原啓之 今夜の格言
「人生は、何でも工夫次第です」
<番組概要>
番組名:Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り
放送日時:TOKYO FM/FM 大阪 毎週日曜 22:00~22:25、エフエム山陰 毎週土曜 12:30~12:55
出演者:江原啓之、奥迫協子