男性専門の総合美容医療機関「ゴリラクリニック」は、30〜59歳の男性7,523名を対象に「世代別:男性の美容意識調査」(インターネット調査)を実施した。調査期間は2025年2月13日〜15日の3日間。

■ミドル世代の男性の美容意識が"生涯現役"へと変化

近年、メンズ美容市場は拡大傾向にあり、男性向けのスキンケア商品やメンズコスメのCM広告を目にする機会が増えている。

国内外の新興ブランドも急増しており、Z世代を筆頭に、いまや美容意識はミドル世代の男性たちの間にも浸透しつつある。その背景のひとつに「人生100年時代」という基本構想の根底から、社会のニーズが"生涯現役"へと変化したことも考えられる。

  • ゴリラクリニック男性患者数推移--上・30代、下・40代

ゴリラクリニックでは30代以上の男性患者がこの5年間で急増しているという。2020年の年間来院者数は17万3,576人だったが、2024年には44万8,402人と約2.6倍に拡大した。特に注目すべきは、コロナ禍からの回復期にあたる2021年に45%もの大幅な伸びを記録した点だ。

その後も毎年15%以上の成長率を維持しており、2025年も3月末時点ですでに11万人を超える来院があることから、今後もこの右肩上がりの傾向が続くと予想される。

これらの数字は、ミドル世代男性における美容医療への関心が一過性のブームではなく、継続的な市場成長として根づいていることを示していると考えられる。

■ミドル世代男性の美容ニーズの特徴と悩み

ミドル世代の男性による美容意識の特徴として、若年層に比べて治療ニーズが多様化する傾向がある。

同院の調査によると、男性の「外見(身体)に関する悩み」では、全体として「歯並び・口臭・虫歯」(28.1%)が最も多く、次いで「ヒゲの濃さ」(24.0%)、「肌荒れ(顔)」(22.1%)、「シミ・そばかす」(20.5%)と続く。

年代別に見ると、それぞれの悩みに特徴がある。

◎【30代男性の悩み】「ヒゲの濃さ(33.5%)」「肌荒れ(30.2%)」「口元の悩み(29.7%)」「体毛の濃さ(25.3%)」「乾燥(24.2%)」が上位に
◎【40代男性の悩み】「口元の悩み(歯並び・口臭・虫歯:28.7%)」「ヒゲの濃さ(23.4%)」「シミ・そばかす(22.0%)」「肥満(21.2%)」「肌荒れ(20.9%)」が上位に
◎【50代男性の悩み】「口元の悩み(歯並び・口臭・虫歯:26.0%)」「シワ・たるみ(25.1%)」「シミ・そばかす(23.2%)」「髪の薄さ(23.1%)」「肥満(17.9%)」が上位に

上記データからわかるように、30代では体毛やヒゲの濃さに関する悩みが顕著であるのに対し、年齢が上がるにつれて「シワ・たるみ」や「シミ・そばかす」といった加齢に伴う変化に対する悩みが上位にランクインしている。

また「歯並び・口臭・虫歯」はすべての年代で上位にランクインしており、昨今、男性にとって口腔ケアへの関心が高いことがうかがえる。

■「美容」に対する男性の意識変化とその目的

「カッコよく見られたい」「イケメンになりたい」など、異性を意識した美容ニーズが若年層の特徴だとすれば、ミドル世代の特徴は「ヒゲ剃りに要する時間がもったいない」「排便時のふき取りを楽にして、衛生的に過ごしたい」など、日々の利便性やQOL向上を目的とする美容ニーズを抱いている傾向がある。

その他、「清潔感を手に入れたい」「加齢に伴い昔と同じケアでは効果が出なくなってきた」「自己投資の一環としての美容」など、一言で「美容意識」といえども、実に様々な目的や肌悩みを抱える男性が通院している。

同院の調査によると、男性全体で「美容に興味がある」と答えた人は 45.7%、「興味がない」と答えた人は54.3%という結果になった。年代別に見ると30代では 58.5%が「興味がある」と回答しており、最も高い関心を示している。

一方、40代では47.0%、50代では 33.1%と、年齢が上がるにつれて美容への関心が低下する傾向が見られる。特に50代では約7割(66.9%)が「興味がない」と回答している。

しかしながら「男性美容」に対する印象を調査したところ、全体では65.6%が「ポジティブ(好意的)」と回答。年代別では 30代で77.2%、40代で66.1%、50代でも55.1%が好意的な印象を持っていることがわかった。

興味の有無と印象には差があり、興味はなくても男性美容自体に対する抵抗感は薄れてきていることが示唆される。

■《見た目に投資する時代へ》男性の新たな“自己投資"の形

  • 銀座ANNEX院院長 太田博之医師

銀座ANNEX院院長 太田博之医師コメント

昨今、男性美容市場の成長が著しく、周りでもよく美容の話題になることがあります。男性美容市場の拡大について考えられる要因は脱毛を10~20代の時にやっていた方が、30~40代になり、美容医療への抵抗感がなく肌施術をお受けになるケースが多いこと。それに伴い美容医療を受ける男性人口の増加、男性が美容医療を受けるハードルの低下が要因と考えられます。
 
当院で見られる患者さまの傾向はミドル世代の男性のご来院が非常に多いです。治療希望の内容は白髪脱毛やシミやたるみなどの脱毛や肌治療などがあります。
 
当院で治療を受けた患者さまからは肌がきれいになり部下と美容の話で盛り上がっている、妻から褒められて家庭内の空気がとても良いといったご意見を頂戴することもあります。
 
美容医療を受けることで外見や意識が変わり自己肯定感が向上し、それはビジネスからプライベートにまでポジティブな影響をもたらすと思われます。
 
「見た目から、あなたのすべてを変えていく」美容医療の意義はここにありと考えます。