ジャガーXK140で英国のオススメ朝活ミーティングへ|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、1955年ジャガーXK140に乗るロバートが最近注目している「C&C(コーヒー&キャブレターズ)」イベントに参加した話をお届け。

【画像】秘密基地のようなガレージに車好きが集う、英国の「C&C(コーヒー&キャブレターズ)」イベント(写真2点)

私たちの喜びを邪魔する人たち(つまり自動車排斥派の政治家や議員)が、イギリスの街をできるだけ車に”不親切”なものにしようと、やっきになっている。その一方で、最近はとてもシンプルなクラシックカーの楽しみ方が広まってきている。クラシックカーで遠出をし、他の愛好家たちと会ってお茶やコーヒーを飲みながらくつろいだ時間を過ごす。そんな良き時代の楽しみ方が再来しているのだ。

1990年から2000年代にかけて、ウインドブレーカーを着た集団が、広場に車を停めてデッキチェアを並べる姿を、私たちは笑いものにしていた。私たちは、ヒストリックレース、定期的なラリー、グランドツーリング、ガムボール・ラリー、ボジョレー・ダッシュ、ツール・ド・フランス、それに1000マイル・ミッレ・ミリアのような、もっと硬派なものを目指していた。とても格好いいが、とてもお金もかかるし、とても疲れる、そういった類のものだ。

しかし最近では、クラシックカーを素敵な場所に停めて、オーナーが集まっておしゃべりをし、ランダムに現れるさまざまなクラシックカーを見て楽しんだりするような、”車とコーヒーの集い”が盛んになっている。ロンドンのノース・サーキュラー・ロード(北環状道路)にある『エース・カフェ』が数年前にこのアイデアを始め、『96クラブ』もしばらくの間、スマートなベルグレイヴィアのチェシャム・プレイスで「ベーコン・バイ・ミーティング」イベントを開催してきた。参加のハードルは低い。審査もなければ高価なレーシングスーツもいらず、雨天用のウェットタイヤももちろん必要ない。ただそこへ乗って行くだけでいい。

数週前の日曜日の早朝、私もそれに参加してみようと思い立った。隠れ家からジャガーXK140を出し、何の変哲もない道路を進んだ。通りに面した工業用のグレーの鉄製ドアは普段は閉まっているが、その日は大きく開け放たれていた。そこに、約60台の見事なビンテージカー、クラシックカー、ハイパフォーマンスカーが並んだ、巨大なガレージが姿を現した。『Octane』UK版編集長エリオットの、綺麗になったトライアンフMk1 PIも外に停まっていた。

ここはグレーム・ハント・リミテッド社(www.graemehunt.com)のバタシー工場だ。だから、この静かな袋小路にはV12やスーパーチャージャーエンジンに火が入る前のお宝の車がひっそりと佇んでいても不思議ではない。グレーム、ベッティーナ、そしてウィリアムのハント家の3人は、バタシーにある素敵な”ガレージ”を開放して、時折「コーヒー&キャブレターズ」の集まりを開いている。ここでは、美味しいコーヒーと「ポール・ザ・ベーカリー」のクロワッサンやお菓子が振る舞われ、車愛好家たちとの楽しい会話を楽しむことができる。

このロンドンの隠れ家は、間違いなく早朝に訪れる価値がある。駐車場に関しても問題ない。次回のC&C(コーヒー&キャブレターズ)イベントは、6月7日(土)の早朝に開催の予定だ。ぜひお越しあれ。でも、ベッティーナが十分な数のお菓子を準備できるよう、mail@graemehunt.comまで事前にEメールをされたし。では、現地でお会いしよう。

文:Robert Coucher