日本テレビ系ドラマ『なんで私が神説教』(12日スタート、毎週土曜21:00~)の脚本を務めるオークラ氏。『ゴッドタン』(テレビ東京)、『バナナサンド』(TBS)などを担当する放送作家として知られるが、『ドラゴン桜』(第2シーズン、TBS)や『となりのナースエイド』(日本テレビ)などドラマの脚本家としても活躍している。そんな彼が、今作の秘話や見どころ、また脚本論などについて語ってくれた。
過激な作品が増える中で描く「日常」
『なんで私が神説教』は、「生徒とは程よい距離感で。怒るな、褒めるな、相談乗るな」がモットーの私立名新学園の教師となってしまった麗美静(広瀬アリス)が、問題児ぞろいの生徒たちの事情にいつしか巻き込まれ、したくもないのに“説教”をしなければならない状況に追い込まれる姿を面白おかしく描き、静の説教にスカッとできる学園ドラマ。
「今って本当に“正解”しか言えない…一個言葉を間違えると総叩きに遭ってしまう世の中じゃないですか。その結果、“怒れない人”が生まれ、その話を方々から聞いていたところ、プロデューサーの藤森真実さんから、女性教師を題材にした作品ができないかと相談を受けました。僕らの周りで怒れない人が増えたということは、学校の先生も言いづらいことが多いだろうなと想像して提案した企画が本作になります」(オークラ氏、以下同)
たしかに、上司が部下を怒るとパワハラ認定されてしまったり、考えを押し付けることで誰かを傷つけたりする話をよく聞くようになった。言いたいことがあっても何も言わず、関わらない方がいいと思っている人も多いだろう。そんな、他人と本音でぶつかることが大きなリスクになりかねない今を切り取ったのだという。
それに加え、「昨今、深夜ドラマなどでやたら不倫や過激な展開の作品が異常に増えていたので、実際は日常でそんなに事件ばかり起きないだろうと。そうした意味でもう少し日常に寄り添った作品が作れないかと思った部分もあります」と狙いを明かした。
人間味あふれる広瀬アリスにキャラを寄せる
主人公の静を演じるのは広瀬アリス。
「広瀬さんは発言もピュアなイメージがあります。SNSも自分の意見を持ってるし、思ったことをちゃんと伝えられていて、結構本音を語ってしまいそうな感じがあるように思うのです(笑)。でも裏側ではいろいろと思うところや、ウジウジしてしまっている面もあるんじゃないかとも思わせる。とても人間味あふれる方という印象を僕は持っていました。そこでこの役柄は広瀬さんがいいのではないかと感じたのです。決まってからは少し広瀬さんのキャラに寄せて直していきました」
同僚の浦見光に扮するのは、渡辺翔太だ。
「渡辺さんは本来、Snow Manでイケメンを仕立てるタイプの方じゃないですか。浦見は唯一オールドタイプの教師タイプ。渡辺さんの“ノリ”で自分のイケメンや美容系をグイグイ推してくる感じのあのキャラと(笑)、生徒たちに深く入ろうとする感じが意外とマッチするかなと思いながらキャラクターを作っていきました」