ワイヤレス充電の新規格「Qi2」(チー・ツー)に対応したワイヤレス充電器が、アクセサリーメーカーのベルキンから登場しました。iPhoneのMagSafeのように充電部に磁力でくっつき、充電ポイントを探さなくて済むのがポイント。MagSafeと同様に、最大15Wの急速充電にも対応します。MagSafeに対応したiPhoneだけでなく、今後はAndroidスマホやタブレット、ウエアラブルデバイスなども使えるようになる見込みで、さまざまなデバイスでワイヤレス充電がグッと便利になります。

  • ワイヤレス充電の新規格「Qi2」に対応したワイヤレス充電器を、ベルキンがいち早く発表した

ベルキンが1月17日に発表したのは、3種類のデバイスに同時にワイヤレス充電できる「Belkin Qi2 3-in-1ワイヤレス充電パッド」と、2種類のデバイスに充電できる「Belkin Qi2 2-in-1ワイヤレス充電パッド」、最適な角度でスマートフォンを固定して充電しながら動画視聴や操作ができる「Belkin Qi2 折りたたみ式 充電スタンド」の2種類です。

どちらも、アップルのMagSafeをベースに開発したワイヤレス充電規格のQi2を採用しています。充電部にリング状の磁石を内蔵しており、磁力でデバイスが最適な充電ポイントにくっつくのが特徴。位置がずれて充電できない…といった従来のQi充電器の欠点を解消しています。充電は、最大15Wの急速充電に対応しており、最大7.5Wだった従来のQiよりも素早く充電できます。

  • Qi2の充電部には円形のマグネットが埋め込まれており、MagSafeに似た特徴を持つ

Belkin Qi2 3-in-1ワイヤレス充電パッドは、Qi2対応の充電部(最大15W)に加え、Qi対応の充電部(最大5W)と取り外し可能なApple Watch急速充電ドングル(USB Type-C接続)を用意し、最大3台のデバイスを同時にワイヤレス充電できるパッド。Apple Watch急速充電ドングルは、Apple Watch Series 7以降の急速充電に対応します。

  • 3つのデバイスの同時充電に対応したBelkin Qi2 3-in-1ワイヤレス充電パッド

  • Apple Watch急速充電ドングルはUSB Type-C接続で、取り外しできる

カラーはブラックとホワイトの2色。価格は、Belkin Qi2 3-in-1ワイヤレス充電パッドが14,400円、Apple Watch急速充電ドングルが別売となるBelkin Qi2 2-in-1ワイヤレス充電パッドが9,990円。発売は1月17日から順次。

  • ブラックとホワイトの2色を用意する

Belkin Qi2 折りたたみ式 充電スタンドは、Qi2の充電モジュールを搭載した折りたたみ式のワイヤレス充電器。本体はクレジットカードぐらいの大きさながら、充電部を立ち上げて角度を縦向きに70度調整できるため、充電しながら動画を見る、といった用途に向きます。カラーはブラックとホワイトの2色。価格は7,770円。発売は2月の予定。

  • 充電部の角度調節機構を備えたBelkin Qi2 折りたたみ式 充電スタンド

  • 折りたたむと、クレジットカードぐらいの大きさになる。この状態でも充電できる

  • 角度をつけた状態でiPhoneを設置したところ。横画面でも固定できる

  • iPhoneのカメラをMacで利用する連携カメラ用のスタンドとしても使える

Qi2対応製品はより低価格なラインとしてMagSafe製品と併売する

ベルキンによると、今回発表したQi2対応のワイヤレス充電器はMagSafe対応のiPhoneでも使えるものの、MagSafeのロゴは付かないといいます(MagSafeのロゴを付与するためには、アップル純正の部品を使う必要があるため)。

ベルキンは、今後もMagSafe対応製品とQi対応製品を併売していく方針です。MagSafe対応製品はワンランク上の塗装やデザインを採用したiPhoneユーザー向けのプレミアムシリーズ、Qi2対応製品は価格を抑えた幅広い層向けのスタンダードシリーズ、という位置づけでラインナップしていくといいます。

  • 現行のMagSafe製品のラインナップ。今後、Qi2対応モバイルバッテリーも投入していく予定とのこと

Qi2は、Androidスマートフォンの主要メーカーがQi2対応製品を投入していくとみられ、Androidでも磁力でくっつくワイヤレス充電が普及しそうです。スマートフォン以外にも、タブレットやウエアラブルデバイスでも採用が進むとみられ、ワイヤレス充電のスタンダードになる可能性が高いといえます。