7月15日、J:COMホール八王子にて”プリ☆チャン ファンファーレ!2023”が開催。約2年ぶりとなる『キラッとプリ☆チャン』単独での開催となった今回のライブイベントには、林 鼓子(桃山みらい役)、久保田未夢(萌黄えも役)、厚木那奈美(青葉りんか役)、芹澤 優(赤城あんな役)、若井友希(緑川さら役)、森嶋優花(紫藤める役)、佐々木李子(だいあ役) 、指出毬亜(輝イブ役)、山下七海(キラッCHU役)、大森日雅(メルパン役)、田中美海(ラビリィ役)、山村響(ルルナ役)、山北早紀(歩堂デヴィ役)、澁谷梓希(明日香ルゥ役)が出演。約3年間にわたって放送されてきたTVシリーズをなぞるようにように列に近い形で楽曲を披露。5周年イヤーにふさわしい、ファンの胸を熱くする構成で楽しませてくれた。

のっけから高クオリティ! 1年目を彩った名曲の数々が登場

まずはOP映像として、メインスクリーンにキャラクターのライブシーンと、その上に設置された横長のサブスクリーンにキャラクター&キャスト名が上映。新しいスタイルの見せ方で徐々に観客の期待を高めると、その映像が終わると同時に林と久保田が登場。作中で初めてライブ披露された2人による「レディー・アクション!」から、プリ☆チャンの”オンエアー”がスタートする。

観客の大きな大きなコールを受けながら、笑顔で元気あふれるステージングを繰り広げる2人。加えてA・Bメロでは要所をふわりとさせることで、また違ったかわいげも乗せる。また、サビ等の左右対称な振付でもコンビネーションの良好さを感じさせる、幼馴染みならではの仲睦まじさも感じるパフォーマンスでライブを開幕させると、続いてはイントロ中に厚木が登場し、ミラクル☆キラッツとしてのはじまりの曲「SUPER CUTIE SUPER GIRL」の披露へ。

3人が横一線に並んだ1サビでは、全員がキュートさを発揮しながら、その中にも個性が。林がみらいらしい笑顔を輝かせ、久保田はえもそのもののようなワクワクあふれる表情をみせ、厚木は腰の使い方などでそこにほのかにしとやかさを織り交ぜていた。

さて、ここからはソロ曲ゾーン。まずは林のソロ曲「ワン・ツー・スウィーツ」の頭サビ部分を3人でパフォーマンスしてから、間奏 中に林に出番をパス。サビ直前の足を内股に折ってからのジャンプや、サビの跳ね方など、とにかく魅せ方にラブリーさを詰め込んで魅せていく。

大サビ後半の「ワン・ツー・ワン・ツー・スウィーツ」のフレーズ部分では、動き自体はダイナミックだった一方で、客席に向ける顔の角度とその表情から輝くキュートさがとにかく際立つ。それに続く「スキスキセンサー」では、ステージに久保田が登場するやいなや、イントロ中から「E-M-O-T-」「I-O-N Yeah!」の特大コールが。

それを浴びながら、どこを観てもエネルギッシュな1曲を、気持ちよさそうに笑顔で踊る久保田。サビでは開脚ジャンプを、落ちサビでは配信用カメラへのアピールをそれぞれ決めた、楽しさと質を両立するステージを繰り広げると、「キラリ覚醒☆リインカーネーション」のイントロとともに微笑みながら厚木がステージに登場。序盤から切れ味鋭く、それでいて滑らかなダンスは、背後に背負ったりんかの姿とピタリと重なり合うものだ。サビでは凛とした表情に切り替わり、後半の重心移動などでは力強さをも感じさせるパフォーマンスを繰り広げていく。

そして続いては、芹澤・若井による「Play Sound☆」。とにかく動き出しから切れ味抜群かつダイナミックなパフォーマンスをみせる芹澤は、大サビの「ついておいで」のフレーズ中に手をクイクイっとするなど見せ場連発。若井もサビ中のターンのステップでの余裕感などから、カッコよさを醸し出す。

そんな2人は、ラストのステップまでタイミングバッチリ。息ピッタリにキメると、森嶋が合流してメルティックスターでの1曲目「COMETIC SILHOUETTE」へ。この曲はやはり、その森嶋がこの日もポイント。笑顔でとにかく楽しそうにステージ上を跳ね回り、Dメロ部分ではセンターでキラッキラの笑顔をみせる。また、落ちサビでのソロを歌うメンバーが歌唱中にキャラクターのイメージカラーに照らされるという演出も、ぐっとくるものだ。

ここで「ミラクル☆キラッツチャンネル」として、この日初のMCパートへ。サブスクリーンにすさまじいスピードでカウントアップされていく「いいねカウンター」が映し出されるなか、林・久保田・厚木が”5周年”という重みも感じながら、この日のライブが”プリ☆チャンの歴史を振り返るようなライブ”というコンセプトを改めて提示。久々披露の楽曲の話題も絡めつつ話に花を咲かせたところで、プリ☆チャンの歴史は2年目へと進んでいく。

“ふたり”のだいあもそれぞれ登場! 2年目の忘れられない楽曲たち

ステージに残った林のもとに佐々木が登場し、「MEMORIES FOR FUTURE」のイントロが流れると、会場を歓喜の声が包む。この曲では、序盤に2人が向き合うタイミングがピッタリだったりと、振付面での息の合い方がとにかく素晴らしい。加えてDメロのソロを筆頭に、2人が響かせていく希望に満ちたスケールの大きな歌声もまた、同時に心をとらえていった。ラストは映像どおり2人手を繋いで締めくくると、続いては厚木による「夢色エナジー」。

イントロ終盤の片足スピンは切れ味鋭く、ふわっと麗しさをみせる場面とのメリハリも効いている。りんかの表情とのリンクもさらに深まり、大サビラストでは晴れやかさを表情・パフォーマンスの両面から表現し、飛び出してきた森嶋にタッチ交代。「スペース!スパイス!スペクタクル!」がスタートする。

元気に跳ね回るかわいさやスピンの美しさなど大きな動きでみせる部分はもちろん、例えばAメロ終盤の細かくちょこちょこっと跳ねて真横に動く部分など細部までクオリティ高く、観る者にストレートに楽しさを感じさせる見事なパフォーマンスを披露。1サビ後の間奏ではクラップと声出しで場内をさらに爆上げしていく。

その盛り上がりを引き継いだのが、久保田による「えもめきピッカーン」。イントロ中の観客のコールとともに場内のボルテージをさらに上げていき、その後も楽しさと元気をぶちまけ続けてBメロのコール部分ではその盛り上がりはピークに。しかも、一つひとつ動きを流れさせずにピタッピタッと魅せてくる質の高いパフォーマンスが、その盛り上がりに確かな根拠を与えているようにも感じられた。

続いて、「とってもカッコよくいくよ!」と告げつつ登場した若井の「My Secret heArtbeats」により、今度はステージは”魅せる”モードへ。エアギターや腕の振りに足運び、そして曲中のセリフに至るまで、宣言どおりにカッコよさあふれるパフォーマンスを披露。大サビでの前蹴りで、終盤にさらにもうひと魅了してみせる。そして自信に満ち溢れた表情で登場した芹澤によるソロ曲「ヒロインズドラマ」では、その表情もうなずける堂々たるパフォーマンスが展開。

サビの中盤に片足立ちで前傾になる部分の動きの滑らかさと力強さは特に要注目で、その他の部分のダンス・歌声の安定感も相まって「これぞ”赤城あんな”だ」と言わんばかりのステージングできっちり魅せきれば、再登場した若井・森嶋とともにスタイリッシュなメルティックスターの姿をみせる「La La Meltic StAr」へ。イントロからリズムをとらえながらピタリ揃えたパフォーマンスをみせ、間奏のダンス中は各々がキャラクター性にリンクした表情とともに披露。魅せて惹きつける、圧倒的なステージを繰り広げていった。

すると今度は入れ替わりにミラクル☆キラッツの3人が登場し、「ロケットハート」を披露。ロボットを思わせる振付も多いこの曲を、こちらもピタリ揃えながら、キラッツらしい元気さ・キュートさを散りばめたステージング。サビも小さくぴょんぴょんと跳ねながら、腕振りなどを交えて観客を巻き込み一緒に楽しんでいった。

その余韻残るなか、続いては”アナザーだいあ”に扮した佐々木による「フレンドパスワード~Another World~」。登場時の「遊びにきたよ~ん♪」のセリフどおり、特にサビではダンスの中で手振りなどの煽りをしっかり入れ込み、観客のコールを受けながら笑顔を輝かせて一緒に「遊んでいる」ような1曲に。歌声もここでは”アナザーだいあ”らしく、キュートで跳ねるような方向に振っていった。

ときに盛り上げときに惹き込み――プリ☆チャンアイドルの多面的な魅力

曲明けにはメルティックスターの3人も登場し、2年目の物語やここまでに披露してきた楽曲を振り返っていくと、スイカのビニールボールがステージに投げ込まれておしゃまトリックス(山北・澁谷)が登場!客席を左右半分に区切り、そのボールを観客が跳ね上げてボールを客席奥まで往復させる”スイカ競争”が行なわれることに。途中ボールが入れ替わるハプニングもありつつ、ジャッジを任せられた佐々木が「観客のみんなの、勝利だもーん!」とだいあらしくうまくまとめた。

さて、もちろんおしゃまトリックスも、ただいたずらだけをしに来たわけではない。続いては持ち歌「いたずらカーニバル!!」の披露へと移る。イントロ中から笑顔で視線を合わせるなど、ハイテンポななかにも随所におしゃま2人の仲の良さとキュートさが詰め込まれており、サビ頭のジャンプも左右対称のポーズとともにバッチリキメ。途中、ソロを歌わない間に笑顔で観客に手を振るなどしてさらにとりこにしながら、場内のボルテージをさらに上げていった。

その雰囲気をさらにガラリと変えたのが、指出による「プラネタリウムの殻」。リズムをとらえつつ麗しさを込めたダンスとともに、表情は晴れやかに美しく歌声を響かせていく。また、大サビ前には数秒の静寂のなかひとりスポットライトに照らされ、夜空へ手を伸ばしてその先に見えたものを大事にそっと抱きしめるようにしてから、大サビで感情を一気に大きく広げて歌唱。

この息を呑むような惹き込まれる表現、まさに”見事”のひと言に尽きるものだった。披露後には山村が、ルルナとしてイブを見守るように微笑みながら登場して「Lustro della LUNA」を歌唱。歌声・パフォーマンスの両面に余裕感のようなものを漂わせながらのステージングで、2コーラス目では手の振りに合わせて、背後のスクリーンの中で星々がきらめく演出も魅力的なものだった。

マスコットたちのキュートなステージから、ライブは終盤戦へ

そんな”マスコットのえらいひと”ことルルナのステージの次は、ゴーゴー!マスコッツ(山下・大森・田中)のステージ。まずは3人バージョンでの「キラッとプリ☆チャンランド」をキュートに魅せていく。センターを取る山下、サビでの跳ね方などどの動きも他の2人と比べて大きく、キラッCHUの元気さを反映したパフォーマンスであることがわかる。

3-Bメロでは3人縦に並んで、山下の後ろから大森・田中がそれぞれ左右にひょこっと顔を出したりと、息を合わせた実にキュートなパフォーマンスをみせると、そのまま「A・B・C・Dいいね★ダンス」へ。ふんだんに盛り込まれたコール部では観客からの大きな声が響き渡り、それを受け止めるステージ上の3人も笑顔で躍動。間奏ではコールに加えてクラップも交え、会場にさらなる一体感をもたらしていた。

曲明けはそのままマスコッツによるMCパートが展開。途中からは山村・指出も登場し、「プリ☆チャンランド」が主な舞台となった3年目の物語や楽曲を振り返っていった。また、このパートではソルル(CV:斎賀みつき)のボイスとの掛け合いから、イベンドグッズの紹介も。山下がカメラを持ち、紹介に合わせてグッズを撮影していったのだが、合間には自撮りや各キャストも撮るなどキラッCHUらしい自由さも発揮する。

そうこうしているうちに「いいね!」カウンターはどんどん増加。会場からも「いいね!」コールが起こってそのカウントが10億を超えたところで、新衣装を身にまとったミラクル☆キラッツとメルティックスターからなる”ミラクルスター”の6人が登場し、アニメ1st OPテーマ「キラッとスタート」を披露! 一つひとつの振付にエネルギッシュさが求められるこの曲を、全員がクオリティ高くパワフルに踊りながら、キャラクターらしさのこもった歌声で表現。落ちサビでは全員が、担当するキャラクターを象徴するようなポーズも決めてみせた。

曲明けにはメルティックスターがステージに残り、そのまま「Merry Merry Fantasia!」の披露へ。鋭いビートをもつ、メリハリあるダンスを必要とされるEDMを、力強さとともに魅せていく3人。ウィスパーでのラップ部分もスタイリッシュにこなし、直後のダンスタイムでも「目を奪う」という表現がドンピシャすぎるパフォーマンスをみせていく。

それに続いて登場したミラクル☆キラッツの3人は、「ミラクルコースター」を披露。この曲も終始ぱたぱたと賑やかにかわいげをみせる運動量の必要な曲だが、ラインダンスのようなサビ終盤の前蹴りも3人とも高い打点で揃えるなど、会場をさらに盛り上げる元気さの中に魅せる要素を散りばめていく。

また、腕を回しながらのその場でのターンも互いを邪魔せず、フォーメーションのバランスやタイミングも含めてハイテンポなナンバーをきっちりこなしてみせた。

そして今度は”ミラクルスター”に佐々木を加えた7人で、彼女が物語のカギになった2年目OPテーマのひとつ「ダイヤモンドスマイル」を、セリフも織り交ぜながら7人で歌唱。その中でも林のサビの「超えてみせるから」のソロは、やはり歌声の伸びやかさ・高らかさがたまらなく魅力的だと再認識させられた。

ラストに待っていたのは、観客からの最高の声援

曲明けのMCでは、バーチャルライブ第2弾”ハイスクール!キラッとプリ☆チャン”が今冬配信予定であることや、そこに新たなプリ☆チャンアイドル・銀河さだめが登場することなどが発表。観客から喜びの声が上がったところで、この日出演のプリ☆チャンアイドル全員がステージに勢揃い。

思い思いに観客へとメッセージをおくり、最後に林が「今までの曲を順番にやったじゃないですか?ステージ後ろで(歴史を感じて)泣きそうになっちゃった」と率直な想いを語ると久保田が「でもまだまだいい曲あるよ?」と続け、再び林が「こんなに素敵なアイドルがたくさんいて素敵な楽曲がたくさんあって、『プリ☆チャン、終わらないな!』って改めて思いました!」とまとめていた。

そしてラストにオールキャストで歌唱したのが、3年目第4クールのOPを飾った「ドリーミング☆チャンネル!」。大団円ムードが場内を包むなか、ここでもおしゃまトリックスの2人が”いたずら”を開始。

歌唱中のユニットの後ろにひょっこり現れたり、サビでは芹澤や林のスカートへと自身の衣装についていたゴーストを挿し込んだりと、フリーダムに振る舞っていた。

最後に観客へ挨拶しながらアイドルたちは降壇し、ミラクルスターの6人が2階ステージに集結。そこで林が「みんなでやりたいことが……」と切り出し、「やっぱりプリ☆チャンは?(ミラクルスター)」「サイコー!!!(観客)」のコール・アンド・レスポンスとともに久々の単独ライブイベントは幕を下ろしたのだった。

作品が5周年を迎え、声出しOKのライブも可能となったこのタイミングならではの、ここまでの歩みを総ざらいするかのような形となった今回のライブイベント。だが、前述のとおりバーチャルライブ第2弾の開催が発表されるなど、プリ☆チャンアイドルの歩みはまだまだ止まらない。ならば私たちも、とことん彼女たちについていきたい――そんな想いを新たにさせられるような、節目にふさわしいライブイベントだった。