ASUSは4月13日、オンラインイベント「FOR THOSE WHO DARE」と題したオンラインイベントを開催し、ゲーミングスマートフォンの最新モデル「ROG Phone 7」シリーズを発表した。同日より欧州および台湾で予約の受け付けを開始している。日本での販売については現時点では不明。

  • 「ROG Phone 7」シリーズ

    「ROG Phone 7」シリーズ

「ROG Phone 7」シリーズは、「ROG Phone 7」と「ROG Phone 7 Ultimate」の2モデル構成。カラーは「ROG Phone 7」がファントムブラック/ストームホワイトの2色で、「ROG Phone 7 Ultimate」はストームホワイトのみの設定。

欧州での価格は、「ROG Phone 7」のメモリ12GB/ストレージ256GBモデルが999ユーロ、メモリ16GB/ストレージ512GBモデルが1,199ユーロ。「ROG Phone 7 Ultimate」はメモリ16GB/ストレージ512GBで1,399ユーロ。

  • ROG Phone 7

    ROG Phone 7

  • ROG Phone 7 Ultimate

    ROG Phone 7 Ultimate

両機種ともに最新SoCのSnapdragon 8 Gen 2を搭載し、冷却機構GameCool 7を備える。2機種の主な違いは、「ROG Phone 7 Ultimate」が背面にサブディスプレイ「ROG Vision」を装備しており、「AeroActive Portal」という端末内部に外気を導入する開口部を設けて冷却性能を高めている点となっている。

前世代よりも15%高速になったSnapdragon 8 Gen 2を採用したことにより、パフォーマンスは向上。同チップによりゲームなどにおけるレイトレーシング表示のハードウェアアクセラレーションやWi-Fi 7(IEEE802.11be)にも対応する。メモリは8,533MbpsのLPDDR5Xメモリとなり、最大16GB。ストレージは前モデルのUFS3.0から2倍高速になったUFS 4.0で、最大容量は512GB。

  • Snapdragon 8 Gen 2を採用

    Snapdragon 8 Gen 2を採用

  • Wi-Fi 7にも対応

    Wi-Fi 7にも対応

ディスプレイはSamsung製でリフレッシュレート165Hz/タッチサンプリングレート720Hz対応のAMOLEDディスプレイ。輝度は1,500nitとなり、屋外での視認性も向上させた。

  • ディスプレイはSamsung製のAMOLEDディスプレイ

    ディスプレイはSamsung製のAMOLEDディスプレイ。輝度がアップしている

「ROG Phone 7 Ultimate」の「ROG Vision」は、充電状況の変化や着信といったイベントをアニメーションで通知する。表示はカスタマイズ可能だ。

  • ROG Vision

    ROG Vision

Snapdragon 8 Gen 2では電力効率も改善されており、全方向からCPUを冷却するGameCool 7との組み合わせで電力消費を最小化している。冷却にはこれまでの製品同様、短/中/長のそれぞれのゲーム時間にあわせて3つのアプローチを採っている。短時間のゲームプレイにはCPUの一方の面に接するボロンナイトライド混合の素材でスロットリングを低減。中時間では、大型のベイパーチャンバーとCPUのもう一方の面に配されたグラファイトシートを活用する。長時間の利用に際してはAeroActive Cooler 7により、CPUモジュールの直上に配置されたファンで冷却を行う。これらの冷却機構はAIによって管理され、さらなる冷却にはペルチェ素子も利用される。

  • 冷却の3つのアプローチ

    冷却は短時間/中時間/長時間のそれぞれのゲームプレイに対してアプローチ

  • 冷却システムの全体像

    冷却システムの全体像

ベイパーチャンバーは、大型化と新技術投入を行い、冷却材が移動する流路の構造から根本的に再設計されたもの。内部のグラファイトシートも大きくなり、熱交換が最大となるように形状も変更されている。

  • ベイパーチャンバーの改善1
  • ベイパーチャンバーの改善2
  • ベイパーチャンバーの改善3
  • ベイパーチャンバーの改善4

    ベイパーチャンバーは流路の構造から再設計。熱効率を168%改善したという

  • 内部のグラファイトシートも形状を変更

    内部のグラファイトシートも形状を変更。こちらも10%の熱効率改善につながった

「ROG Phone 7 Ultimate」においては、さらに前述のとおり「AeroActive Portal」という構造が採用されている。これはAeroActive Coolerが装着されたときに利用される吸入口で、ここから導入された外気がベイパーチャンバーの冷却フィンにあたるようになっている。この仕組みでSoCが発する熱への対策を行うことで、ゲームプレイにおけるパフォーマンスとバッテリー駆動時間を向上させている。「AeroActive Portal」が利用されているときの電力効率は最大20%向上するという。

  • AeroActive Portalの仕組み
  • 背面にあるAeroActive Portal

    AeroActive Portal

  • AeroActive Cooler7を装着

    AeroActive Portalは、このようにAeroActive Cooler7を装着したときに有効となる

サウンド面では、12×16mmのスピーカーで従来機から音量を50%アップ。AeroActive 7を装着すると、そこに搭載された13×38mmのサブウーファーにより、2.1chのサウンドでゲーム/映像コンテンツを楽しめる。3.5mmヘッドフォンジャックはDirac Virtuo対応で空間オーディオ対応。また、Snapdragon Soundのサポートにより、低遅延/高品質のBluetoothオーディオ再生が可能となっている。

  • 12×16mmのスピーカーを搭載

    従来機から音量を50%アップした12×16mmのスピーカーを搭載

  • Dirac Virtuo対応

    3.5mmヘッドフォンジャックはDirac Virtuo対応

ゲームプレイをサポートするソフトウェアも強化。「X Sense」はAIがゲームプレイ中の画面内のイベント(敵の接近やアイテムの出現など)を認識し、ポップアップなどでユーザーにわかりやすく通知してくれる。「X Capture」は戦闘中の大事なシーンなどを自動的に記録してくれる機能。おなじみのAirTriggerによる操作も健在だ。

  • X Sense

    X Sense

  • X Capture

    X Capture

  • AirTrigger

    AirTrigger

「ROG Phone 7」「ROG Phone 7 Ultimate」の主な仕様は下記のとおり。

  • OS:Android 13+ROG UI
  • CPU:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2
  • 内蔵メモリ:最大16GB LPDDR5X
  • ストレージ:最大512GB UFS4.0
  • ディスプレイ:6.78インチ AMOLEDディスプレイ(2,448×1,080ドット、最大輝度1,500nit、10点マルチタッチ、リフレッシュレート165Hz
  • アウトカメラ:50メガピクセル(メイン)+13メガピクセル(超広角)+5メガピクセル(マクロ)
  • インカメラ:32メガピクセル
  • Wi-Fi:IEEE802.11 be/ax/ac/a/b/g/n
  • Bluetooth:バージョン5.3
  • バッテリ容量:6,000mAh
  • 防水/防塵:IP54
  • 生体認証:画面内指紋認証/顔認証
  • インタフェース:USB Type-C(側面/底面)、3.5mmオーディオジャック
  • サイズ/重さ:H177×W77×D10.4mm、239g