ロッテは、プロゲーマー・梅原大吾(ウメハラ)選手への「プロフェッショナルガム」贈呈式を2021年10月21日に開催した。
「プロフェッショナルガム」とは、さまざまなスポーツやアスリートを「噛むこと」でサポートするための商品。「噛むこと」の健康価値を研究するためにロッテが設立した「噛むこと研究部」によって開発される。一般販売は行われない。
今回はプロの格闘ゲーマーであるウメハラ選手の好みに合わせて、形状・硬さ・フレーバーの3項目、60種類の組み合わせからオリジナルのガムを作成。贈呈式では、完成したウメハラ選手オリジナルのガムを手渡した。
完成したガムは「粒・ハード・ブルーベリーフレーバー」タイプ。贈呈式に登壇したウメハラ選手は、「どの味もおいしくて、セレクトに迷いました。ゲームセンターに通っていた中学生のころ、電車のなかやゲームセンターでの待ち時間に噛んでいたのがブルーベリー味のガム。それを思い出して味を決めました」と、オリジナルガムの製作を振り返る。
ガムセレクトでは、東京歯科大学口腔健康科学講座スポーツ歯学研究室の武田友孝教授監修のもとで「咀嚼能力テスト」が実施された。測定の結果、平均より高い噛む力に加えて、噛むバランスも非常に良好だったという。
この結果を聞いてウメハラ選手は「あまり噛まないタイプなので、噛む力が平均より高いことも、バランスが良いこともめちゃくちゃ意外でしたね」と驚いている様子を見せた。
贈呈式では、「噛むこと」の科学的効果の説明も行われた。噛むことによって、脳の認知機能をつかさどる前頭前野の血流がよくなり、判断力が向上するという内容を聞いて、「ゲームにも役立つと思ってガムを噛んでいましたが、それを確認する方法がありませんでした。改めて専門家の話を聞くと、かなり興味が出ますね」とウメハラ選手は関心を示す。
続けて「僕がプレイしている格闘ゲーム界は、比較的高い年齢でも活躍できると言われていますが、ほかのタイトルの場合、20代前半でピークが終わると言われています。自分がやらないので『そういうものなのかな』と考えていましたが、さすがにそれはおかしい。当然努力はするんでしょうけど、どういうトレーニングが正しいかわかっていないから、若さや才能だけの勝負になってしまうのだと思います。まだまだ未開拓なことが多いからそういう状況に陥っていると思うので、噛むことが脳にいい影響を与えることは、eスポーツ全体が興味を持てるテーマではないでしょうか」と、トレーニングにおける科学的根拠の重要性を述べた。
また、贈呈式では「ガム咀嚼による脳血流の上昇効果」を測定するデモンストレーションを実施。右脳・左脳(前頭部)の脳血流変化・心拍等を同時にモニタリングできる「NIRS」という器具を使用して実験を行った。
ウメハラ選手がガムを噛み始めると、まず心拍が上昇。波があるものの、脳の血流も徐々に上昇していくのがわかった。さらに、噛むことで、全身の筋肉の活動が高まり、関節が動きづらくなるため、頭がブレにくくなり、画面に集中できる効果もあるという。
贈呈式で咀嚼の科学的効果を改めて聞いたウメハラ選手は「努力はずっと続けてきたつもりですが、自分の考えのみをもとに行っていたため、なかには効果のない努力もあったはず。今回1つの努力の正しい方向を示してもらったので、この機会を生かしたいと思います」と意気込みを述べた。