デンマークは「世界一の自転車都市」などともいわれていますが、そんなデンマーク発のe-BIKEブランドに「MATE. BIKE(メイトバイク)」があります。このMATE. BIKEが2021年に日本上陸、その第2弾として、街乗り仕様の折りたたみ式e-BIKE「MATE CITY」シリーズを7月21日に発売します。

折りたたみ自転車というと、軽さを重視するために機能を省いている製品もありますが、MATE CITYはなんとフルサスペンション仕様、ブレーキにはディスクブレーキを採用するなど、自転車としてのこだわりが感じられます。今回、発売前のMATE CITYに試乗できたので、その乗り心地などを紹介しましょう。

  • マイナビニュース・デジタルの林編集長が試乗。写真は全4色あるうちのトゥルーブルー。鮮やかでマットなブルーがとにかくスタイリッシュ!

    マイナビニュース・デジタルの林編集長が試乗。写真は全4色あるうちのトゥルーブルー。鮮やかでマットなブルーがとにかくスタイリッシュ!

まずは基本性能をチェック

MATE CITYは、タイヤサイズが20×1.5インチの折りたたみ式電動アシスト自転車。バッテリーの違いで2種類のモデルが用意されています。ひとつは、バッテリー出力が36V/13Hの「MATE CITY」、もうひとつは36V/17H出力の「MATE CITY+」です。

MATE CITYは満充電時からの最大走行距離が約80km。対して、MATE CITY+は最大約120kmになります。バッテリー容量以外の仕様は共通で、本体サイズは幅57×長さ160×高さ108cm。重さはバッテリー込みで21.5kgとなります。折りたたみ自転車としては重いですが、電動アシスト自転車としては軽量な部類です。価格はMATE CITYが275,000円、MATE CITY+が319,000円です。

  • 左から、ショッキングピンク、ゴールデンオリーブ、トゥルーブルー、レガシーブラック。ゴールデンオリーブ以外はツヤ消しのマット塗装

    写真左から、ショッキングピンク、ゴールデンオリーブ、トゥルーブルー、レガシーブラック。ゴールデンオリーブ以外はツヤ消しのマット塗装なので、鮮やかな色でも下品にならず高級感があります

  • 個人的に気に入ったゴールデンオリーブ。このカラーだけツヤのあるテクスチャー。落ち着いたレトロな配色なので、ツヤありながら気品があるたたずまい。写真の車体はタイヤをBMX仕様にしたカスタムモデルです。発売後はさまざまなオプションアイテムが用意されるとのこと

【動画】2カ所のロックを解除するだけで簡単に折りたたみ。折りたたみ後のサイズは幅40×長さ90×高さ68cmと、ちょっと幅広かも

  • 折りたたんだ状態。コンパクトさが伝わるでしょうか?

MATE CITYは全体的なスペックもなかなか豪華。まず、サスペンションを前後に搭載したフルサスペンションを採用。段差などの衝撃をしっかりと吸収してくれます。ブレーキは、雨の日でも性能が落ちにくいディスク式です

  • 車体の前後にサスペンションを搭載したフルサスモデル。歩道など段差の多い街中を走るときも、しっかりと衝撃を吸収してくれます

  • 今回は試乗モデルはライトを装着していますが、このライトはオプションパーツ。アシスト用のバッテリーから電力を得て点灯します。今後はライト類やフェンダー(泥よけ)など、さまざまな純正オプションが発売されるそう

一般的な電動アシスト自転車は、ペダル軸の付近にモーターを搭載していますが、MATE CITYは後輪の車軸部分にモーターを内蔵しているのも特徴的。このため、ペダル周りのデザインがスッキリしており、一見すると電動アシスト自転車には見えません。

後輪モーターは車体のデザイン性を高めているだけでなく、モーターに不具合があったときのメンテナンス性も高いんです(後輪パーツごと交換可能)。また、ペダル周りに特殊なパーツがないので、チェーンやペダルなども市販品と交換しやすいとのこと。

  • 後輪の車軸部分が太いのはモーターを内蔵しているため。そのぶん、ペダル軸まわりがスッキリ

個人的にかなりポイントが高かったのは、バッテリーが車体フレーム内に格納されているところ。バッテリーが露出していないので、車体が美しく、電動アシスト自転車には見えません。

  • バッテリーは本体を折りたたむ状態で取り外します。ちなみに、バッテリーはSamsung製、Panasonic製、LG製のいずれかとなり、選択はできません

  • こちらはハンドルまわり。左にアシストパワーなどの操作ボタン、中央に5スピードカラーディスプレイ、シフト操作は右側のグリップです。ディスプレイの下部にはUSB Type-Aコネクタがあり、アシスト用バッテリーを利用してスマホなどを充電することもできます

  • 変速機はSHIMANO製の内装7段ギア

パワフルすぎて怖いくらい!? 見た目を裏切るアシスト力!

実際に試乗してみたところ、第一印象は「とにかくアシストが力強い」こと。ペダルを踏み込むとワンテンポ遅れてグイッと力強く加速するので、最初のうちは走り出しにちょっと怖いと感じたくらいです。

  • 乗ってみた感想は……?

日本では時速24kmを超えると電動アシストをしてはいけない規制があるのですが、上り坂でもアッという間に24kmに達して補助がなくなるのを実感。アシストパワーは5段階あるのですが、それなりに角度がある坂でも「2」か「3」で十分と感じました。これならハードな急坂でもスイスイ登ってくれそう。「パワフルなアシスト」を求めているなら、MATE CITYはかなり有力な候補になるはずです。

もうひとつ面白いのが、ウォークアシストとよばれるモード。MATE CITYは、アシスト力を下げる「-」ボタン(ハンドル左側)を長押しすると、ペダルを漕がなくてもアシストパワーだけで前進します。急坂での発進などに利用すれば、スムースなスタートが可能です。また、ウォークアシストは人がサドルに乗っていなくても利用可能(時速6kmを超えないので、電動アシスト自転車として法規をクリア)。近年増えてきた立体駐輪場への駐輪や、歩道橋の急なスロープを押し歩きするのに強力な味方となってくれそうです。

  • 「+」と「-」でアシストの強さを変更。「-」長押しでウォークアシスト、「+」長押しで純正ライト(別売り)の点灯、「+」「-」同時押しで走行距離のリセット

  • ウォークアシストで横断歩道を押し歩きする林編集長。「思ったより力強く前進する」とのこと