Appleは、対応家電をコントロールできるプラットフォーム「HomeKit」を2021年秋に機能強化する。開発者向けカンファレンス「WWDC21」で明かされたもので、HomePod miniがApple TVと連携したり、音声アシスタント「Siri」がサードパーティに開放されたりするなど、「ホーム」アプリと関連した新機能が多数用意される。

  • HomeKitが2021年秋に強化される

HomePod miniの機能強化では、ハンズフリーでSiriにApple TVでの動画再生を頼めるようになったり、Apple TV 4Kのスピーカーとして利用可能になったりする。詳細はニュース記事「HomePod mini、Apple TV 4Kのスピーカーになる。ロスレス再生も」に詳しい。

HomeKitの機能強化で注目したいポイントの1つは、Appleの音声アシスタント機能であるSiriが、HomeKitに対応したサードパーティ製デバイスから使えるようになることだ。Amazon AlexaやGoogleアシスタントはサードパーティ対応が進んでおり、AlexaやGoogleアシスタントと連携したスピーカーや完全ワイヤレスイヤホンなどが多数登場している。

AppleはWWDCの発表内で「期待されているプライバシーを提供する」と紹介。サードパーティ製アクセサリを使ったSiriへのリクエストは、他社のサーバを経由せずHomePodに届くよう設計されているといい、利用にはHomePodが必要となりそうだ。Siri対応のサードパーティ製アクセサリは2021年後半から販売開始となる。

  • Siriがサードパーティ製デバイスから使えるように

スマートホーム関連では、2021年5月に策定された、AppleほかAmazon、Google、SmartThingsらが参画するスマートホームの相互運用規格「Matter」への対応も発表された。Matter対応アクセサリは2021年後半に登場する予定で、対象デバイスは照明器具やドアロック、各種センサー、セキュリティシステム、テレビなどが想定されている。これらMatter対応アクセサリが、今後「ホーム」アプリでも制御できるようになる。

  • 新しいスマートホームの相互運用規格「Matter」

このほかのスマートホーム機能としては、玄関のHomeKit対応Webカメラなどとつながり、たとえばインターフォンが鳴った際に、Apple Watchから玄関にいる人を確認し、応答できる機能が登場。また、玄関先に荷物を置く「置き配」が届いたら通知する「荷物検出機能」、iPhoneやApple Watchをタップして、HomeKitに対応するドアの鍵を開けられるようになる「ホームキー」なども予定される。ほか、Apple TVを使い複数のWebカメラ映像をテレビ画面に映せるようになる機能、庭にあるライトを点けるなど近くのアクセサリを操作できる機能も提供されるという。