Motorolaは9月9日、5Gに対応する折りたたみスマートフォン「razr」の新モデルを発表した。世界中の携帯ユーザーがRAZRブランドに求めるデザインと体験に磨きをかけ、軽量化しながら5G対応を実現。ユーザー評価が高かったセカンドディスプレイ、改善が求められていたカメラや基本スペックを強化した。秋に中国と欧州の一部、米国で販売を開始し、ラテンアメリカ、中東、アジア太平洋地域に拡大していく予定。日本での販売も検討しているとのこと。米国での価格は1399.99USドルとなっている。

「RAZR」は携帯電話の歴史に名を刻むブランドの1つである。2002年に登場したオリジナルのRAZRシリーズは、薄い金属ボディのスタイリッシュなデザインを備えた二つ折りフィーチャーフォンだった。機能面でライバルを凌ぐような存在ではなかったが、デザインに優れ、片手でスパッと開閉できるフリップが気持ちよく、米国を中心に世界中で大ヒットした。後にMotorolaはRAZRブランドを冠したスマートフォンをリリースするが、かつてのRAZRを知る多くの携帯ユーザーがRAZRブランドのデバイスに求めるのはオリジナルRAZRのデザインと体験である。

  • 「RAZR V3」と「razr」

    フィーチャーフォン「RAZR V3」と折りたたみスマートフォンで復活した「razr」

昨年Motorolaは、デザインや使用体験を重んじる人達をユーザーターゲットに、折りたたみスマートフォン「razr」でRAZRブランドを復活させた。スタイリッシュなデザイン、片手でも扱える開閉機構などオリジナルRAZRの長所を備え、オープン時には6.2インチ(21:9)の大きなディスプレイになり、閉じた状態でもセカンドディスプレイを通じて通知の確認や自撮りを行えるなど、折りたたみスマートフォンとしてのモダンな要素を取り入れた。razrにはたくさんの意見やコメントが寄せられ、そうした消費者からのフィードバックを原動力に新razrを開発したという。

  • 5G対応の新「razr」

    ブラッシュゴールドの新「razr」

デザイン面では、優雅さを求める声に応えて3Dガラスと7000シリーズのアルミニウムを採用。ポリッシュドグラファイト、リキッドマーキュリー、ブラッシュゴールドの3色を用意した。片手で操作しやすいように、これまでアゴ(Chin)と呼ばれる下側に突き出した部分に実装していた指紋認証ボタンを背面に移し、ヒンジもデザインと機能の両面で改良した。本体サイズは、開いた状態で169.2×72.6×7.9ミリ(初代は172×72×6.9ミリ)、閉じた状態で91.7×72.6×16ミリ(同94×72×14ミリ)。重量は192グラム(同205グラム)。バッテリーが2510mAhから2800mAhに向上している。

折りたたみスマートフォンは耐久性が懸念点になるが、Motorolaによるとrazrは最大20万回のフリップに耐えられるように設計している。razrのパワーユーザーは1日に100回フリップしており、単純計算で最大5.58年使い続けられるので、十分な耐久性と言える。一般的なユーザーなら平均フリップ数は1日40回である。

Motorolaが示すデータのフリップ数が少ないように思ったなら、その理由はセカンドディスプレイ「Quick View」にある。通知やメッセージの確認、音楽再生操作、自撮りなどはrazrを開かなくてもセカンドディスプレイを使ってすばやく行える。この機能はユーザーに好評で、そのためより多くのことをセカンドディスプレイで完了させたいという要望が上がっていた。

新razrではジェスチャー操作を改良し、通知や各種機能へのアクセス、ナビゲーションを向上させた。そして、音声入力、スマートリプライ、フルキーボードなど様々な入力方法をサポート。より幅広いタスクや操作をセカンドディスプレイから利用できるようにしている。デフォルトでは、カメラ、メッセージ、計算機、Google Keep、Googleニュース、Googleホーム、YouTubeなど、Quick Viewに最適化された8つのアプリがアプリパネルに設定されている。他のアプリについても、ユーザーがQuick Viewでの動作に許可を与えることでカスタマイズできる。

  • セカンドディスプレイからアプリを利用

    閉じたままセカンドディスプレイを用いてミニスマートフォンのように使用可能

  • Quick Viewのフルキーボード

    セカンドディスプレイで使うQuick Viewのフルキーボード

カメラは、メインカメラがクアッドピクセル技術を搭載した48メガピクセル(F1.7)カメラ。初代モデルではいくつかのレビューで低照度下での性能の不足が指摘されていたが、新razrは低照度時の感度が4倍に向上している。インカメラは、クアッドピクセル搭載の20メガピクセル(F2.2)カメラ。

  • Quick Viewを用いた自撮り

    セカンドディスプレイを使って閉じた状態で、メインカメラを使った自撮りが可能

  • 撮影時にセカンドディスプレイにアニメを表示

    撮影時に被写体の目線をカメラに向けさせるために、セカンドディスプレイにアニメーションを表示

主なスペックは以下の通り:

  • メインディスプレイ:6.2インチ フォルダブルOLED (2142×876)
  • セカンドディスプレイ:2.7インチ glass OLED(800×600)
  • SoC:Snapdragon 765G
  • メモリー:8GB
  • ストレージ:256GB
  • メインカメラ:48MP クアッドピクセル(F1.7)、光学式手ぶれ補正
  • インカメラ:20MPクアッドピクセル(F2.2)
  • バッテリー:2800mAh
  • 接続性:5G: NR Sub-6GHz、4G:LTE(DL Cat 18)、Wi-Fi 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 5.0、NFC
  • SIM:デュアルSIM(ナノSIM×1、eSIM×1)
  • 製品パッケージもデザインにこだわり

    本体のほか、15W 充電アダプター、USB Type-Cケーブル、3.5mmヘッドセットアダプター、SIMツール、アクセサリーポーチなどが付属