2019年2月から3月にかけ、4週連続で放送された「スーパー戦隊シリーズ」のスペシャルドラマ『4週連続スペシャル スーパー戦隊最強バトル!!』のBlu-ray&DVDソフトが7月10日より東映ビデオから発売される。これを記念して、Blu-ray特別版に収録される本作の「ディレクターズカット」バージョンの上映イベントが6月15日、東京・ニッショーホールにて催された。
『4週連続スペシャル スーパー戦隊最強バトル!!』とは、次のような物語である。謎の美女リタによって「優勝すればどんな"願い"でも叶う」という「スーパー戦隊最強バトル」にエントリーされたジュウオウイーグル/風切大和(演:中尾暢樹)は、ゴーカイレッド/キャプテン・マーベラスやアカニンジャー/伊賀崎天晴、サソリオレンジ/スティンガー、トッキュウ5号/カグラの5人で "変わり者チーム"となり、時空を超えた戦いに参加する。歴代スーパー戦隊のヒーローたちから再構成した、いくつもの"レジェンド戦隊"に果敢に挑む大和たちだったが、謎の戦士「ガイソーグ」の出没によってバトルは大混乱に……。果たして勝利を収めて"願い"を叶えるヒーローは誰なのか? そしてリタの真の"目的"とは?
舞台挨拶には、坂本浩一監督と主要キャストが集まり、全スーパー戦隊のレジェンドヒーローたちが最強の座をかけて激しく戦うという豪華な内容の本作に出演したことへの感想や、自身が属するスーパー戦隊メンバーとの変わらない"絆"の強さ、そして"変わり者チーム"とくくられた本作での新しい仲間たちとの飾らないやりとりなど、観客の笑いを誘う絶妙トークがいくつも飛び出した。
MCを務める"スーパー戦隊親善大使"松本寛也の呼び込みでステージに現れた『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)のゴーカイレッド/キャプテン・マーベラス役・小澤亮太は、本作への出演依頼が来たときの感想として「『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)のときにゴーカイジャーとして出ていましたが、あれから3年後、また帰ってきました。オリンピックの周期よりも早いなと思った(笑)」と、人気者ゆえに番組が終わってなおカムバックのリクエストがひんぱんにあることを照れくさそうに、そしてうれしそうに語った。テレビシリーズが始まってから8年という月日が経っていることについては「俺だけ老けているのはイヤだなあ、という年齢的な負い目を感じています」と、隣の若いヒーローたちの元気さに思わずたじろく場面も見られた。
『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年)のアカニンジャー/伊賀崎天晴役・西川俊介は、撮影時のエピソードを尋ねられて「小澤くんが、僕の演じる"天晴(たかはる)"という名前をずっと"てんせい"って呼んでいて、いくら"たかはるです"って訂正しても最後まで間違ったままだった」と、小澤が自身の役名を撮影終了までかたくなに覚えなかったことを苦笑まじりに明かした。ちなみに現在、小澤は天晴のことを「さだはる」と呼ぶようになったと西川に話し、いたずらっぽい笑顔をのぞかせた。
『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)のトッキュウ5号/カグラを演じる森高愛は、出演オファーを受けたときの心境を「当時から5年もたっているので、この衣装とかツインテールの髪型とか、できるかなあ?と心配でした。なので髪を束ねる位置を『なるべく下げてください!』とお願いしていました。本編中でも、束ねる位置がどんどん下がっていきました(笑)」と、実年齢よりも"幼い"キャラクターとなったカグラをふたたび演じることの苦労を打ち明けた。
『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017年)のサソリオレンジ/スティンガーを演じる岸洋佑は「舞台挨拶が始まる前、みんなに聞いたら全員"苦手"だって言ってました。だからここは僕と寛也くんとで回さないと!」と、極めて高い自身のトークスキルを全開にしてステージに臨んでいた。岸にとってスティンガーという役は「テレビシリーズが終わっても、Vシネクストの『ルパパトキュウ(ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー)』にも出演していて、さらにこの作品の撮影もやっていたので、3年くらいずっとスティンガーを演じているんですよ! これはとても稀なことですので、頑張ろうと思いました!」と、切れ目なくスティンガーを演じることができているゆえに"久しぶり"という感覚がないことを明かしていた。キュウレンジャーの仲間たちからは今回の出演について「キャストで入っているLINEグループ内で『またかよwww』『お前スティンガー好きすぎ』と言われることもありますが(笑)、みんなとても応援してくれていました」と、いつまでも変わらない仲間たちとのよい関係を思わせるやりとりを明かした。
今回の作品では3人のレッドと共演することになった岸だが、「うちにも岐洲匠(シシレッド/ラッキー)という不思議なレッドがいるんですけれど、彼を"立てる"ために頑張ってきました。今回は3人もレッドがいるので、どのレッドを立てようかと思ったのですが、ふだんの小澤くんはマベちゃんみたいに『派手に行くぜ!』みたいな部分がなくて、西川くんも役を離れたらぜんぜんしゃべらない。そこで、ふだんからレッドっぽい雰囲気を持っている風切大和役の中尾暢樹くんを立てようと決めました!」と、現場では中尾のマジメさ="レッドらしさ"を伸ばす役割に努めていたことを明らかにした。
ここで、本日のイベントに駆けつけることが叶わなかった『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)のジュウオウイーグル/風切大和役・中尾暢樹からのビデオメッセージが上映されるという、うれしいサプライズが起こった。「2年ぶりに大和として"戦隊"に帰ってきて、初心に戻ることができて幸せでした! 現場ではキャストのみんなとワイワイ言いながら過ごしていた思い出がすごく残っています。みなさん、『スーパー戦隊最強バトル!!』のBlu-ray&DVDをいつまでも手元に置いて、楽しんでください!」と、本作に出演したときの出来事を語り、スーパー戦隊シリーズでヒーローを演じたことの"重み"をかみしめつつ、客席に向かって変わらぬ応援を呼びかけていた。
豪華キャラクターによる"夢の競演"を見事にまとめあげ、迫力満点のボディアクションをいくつも盛り込んだ名匠・坂本浩一監督は、「以前と今とで、キャスト陣にどんな変化があったのか」という質問に対し「マーベラスの"ヤカラ感(=ガラの悪さ)"が上がったかな(笑)」と答え、客席をドッと沸かせた。また本作の撮影開始前、西川と『ニンニンジャー』で共演したモモニンジャー/百地霞役・山谷花純から坂本監督に「うちのバカ兄(にい)をよろしくお願いします」とメールがあったことを明かして、大きな笑いを取っていた。
「もしも次に『最強バトル』があれば、こんなチームを組んで戦ってみたい!」という質問に対して、坂本監督は「そりゃあもう、ジャスミンとか戦隊のピンクとイエローを中心にしたチームでやってみたいですね!」と、『特捜戦隊デカレンジャー』(2004年)のデカイエロー/礼紋茉莉花(ジャスミン)役・木下あゆ美をはじめとする戦隊ヒロインのベストチームを組みたい要望を、最高の笑顔で語った。
続いて岸は「お客さんが観たいのはこれでしょう! トッキュウ4号の横浜流星くん、ゴーカイブルーの山田裕貴くんたち"レッド以外チーム"が、トッキュウ1号の志尊淳くんやシンケンレッドの松坂桃李くんたち"レッドチーム"と戦ってほしい!」と、今をときめく人気若手俳優として活躍中の"戦隊OB"たちの名前を挙げ、無敵のドリームチームの構想を語った。
森高は「私はトッキュウジャーが好きなので、もう一度トッキュウジャーチームで集まりたいです。宇宙を守る戦隊と違って、私たちは一駅ずつ守っていただけですけれど……(笑)」と"トッキュウジャー愛"をアピールすると、岸がすかさず「トッキュウジャーVS松本寛也で!」と松本に絶妙なパスを出し、松本が「俺はスーパー戦隊で2つのキャラクター(マジイエローとビートバスター)やってるからアリだね! ああ、もうひとつ"顔が金色のやつ(ホシ☆ミナト)"もやってるね!」と、『キュウレンジャー』の宇宙No.1アイドル・ホシ☆ミナト役を含む複数キャラクターでチーム参戦したいと意欲を燃やした。
小澤は「これまでのスーパー戦隊の"敵"がチームになって出てきたら……」と提案したが、その言葉を聞いた岸と坂本監督が「それはもう、別の作品でやってるから!」と小澤に思いっきり言葉を被せてきた。小澤は「えっ!? バスコも?」と、ゴーカイジャーを苦しめたライバル役のバスコ・ダ・ジョロキア(演:細貝圭)がVシネクスト『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』(2018年)での「スーパー戦隊ヴィランズ」のひとりとして復活を果たしていたことに驚いたようすを見せた。
西川は「僕はバカキャラでずっとやってきていますので、"バカVS天才"同士で戦ってみたいです! バカチームはもう好きなことやり放題で、今回の大和みたいに止めてくれる人が誰もいない。どこまでやれるか、というのを観てみたい」と、スーパー戦隊シリーズになくてはならない"天然キャラ""バカキャラ"が結集したドリームチームに大きな期待を寄せていた。
坂本監督は最後の挨拶で「いろんな戦隊のヒーローが集まって戦うという要素を、ひとつの物語として楽しんでもらえるよう知恵を絞って作りました。みなさんのレスポンスがよければ、またこういった作品が作れるかもしれませんので、ぜひ応援よろしくお願いします!」と、ファンの方々の応援次第ではまた新しい『スーパー戦隊最強バトル!!』が実現するかもしれないと、力強く呼びかけた。
『4週連続スペシャル スーパー戦隊最強バトル!!』のBlu-ray&DVDは、東映ビデオから7月10日に発売されるほか、レンタルも同日より開始する。Blu-rayのセル商品にのみ、4つのエピソードをひとつなぎにした上に未公開シーンの追加を行った「ディレクターズカット版」やメイキングなどを収録した、ボーナスディスクがついている。
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