大日本印刷(DNP)は2月27日、IoT機器へのサイバー攻撃を防止する、新たなIoT機器向け通信制御サービスを開始した。新サービスにより、インターネットに接続されたIoT機器を安心して運用できるという。

同社ではICカード開発で培った技術や企業や人の機微情報を取り扱ってきたノウハウを強みに、IoTシステムをセキュアに運用していく取り組みを推進しており、IoT機器へのハッキング防止に向けて、通信セキュリティを向上させる新サービスを開始する。

新サービスは、IoT機器の通信アドレスの動的な割り当て機能や、IoT機器認証により、LAN接続された機器へのインターネット上からの安全なアクセスを実現し、これら機能により、インターネットからIoT機器へのアクセスを制御することで、サイバー攻撃に対抗するという。特別な追加機器が不要であり、IoT機器へソフトウェアをインストールするのみで利用開始できるため、低コストでIoT機器のサイバー攻撃対策を可能としている。

主な特徴として、IoT機器同士が通信する際に通信アドレス中のポート番号を都度変更することで、不正なアクセスを防ぐことができるという。

また、プライベートIPアドレスが割り当てられているIoT機器はサイバー攻撃の危険性を回避できたものの、インターネット上の機器と直接通信することはできなかったことから、仮想IPアドレスを用いて通信し、プライベートIPアドレスのIoT機器同士をインターネットを介して通信させることを可能としている。

  • プライベートIPアドレスの機器同士の通信を可能としている

    プライベートIPアドレスの機器同士の通信を可能としている

さらに、通常のIDとパスワードを利用した認証に加え、独自の電子証明書を活用した認証を行い、認証できない機器からの通信を遮断し、二要素認証により、なりすましによる不正アクセスを防止できるという。

  • 電子証明書を活用した認証で、なりすましによる不正アクセスを防止する

    電子証明書を活用した認証で、なりすましによる不正アクセスを防止する

そのほか、同時に複数の機器間でP2P(Peer to Peer)接続できる機能や、機器をグループ分けして異なるグループの機器へのアクセスを制限できる機能などを備えている。

今後、同社はIoT機器向け通信制御サービスをIoTやICT関連の事業者、ソフトや機器の開発事業者等に販売し、各社の製品・サービスへの組み込みを促進して、2022年度に3億円の売り上げを目指す。