ピュア・ストレージ・ジャパンは12月20日、Amazon Web Services(AWS)上で実行される新しいクラウド向けデータサービス群「Pure Storage Cloud Data Services」を発表した。

新サービス群は「Cloud Block Store for AWS」「CloudSnap for AWS」「StorReduce」の3つのサービスで構成。オンプレミスとクラウド上のアプリケーション展開を統一し、データの価値を柔軟に引き出すことが可能だという。

冒頭、米Pure Storage 戦略部門副社長のマット・キックスモーラー氏は「われわれは今回のサービス群の発表で第3世代を迎える。第1世代はオールフラッシュストレージの提供、第2世代はアナリティクスのデータへの活用、そして第3世代は自前のソフトウェアをクラウドに展開する」と述べた。

  • 米Pure Storage 戦略部門副社長のマット・キックスモーラー氏

    米Pure Storage 戦略部門副社長のマット・キックスモーラー氏

現在、企業ではオンプレミスとクラウドを併用しており、アプリケーションにクラウドでもオンプレミスと同等の使い勝手を求めている。ストレージもオンプレミスとクラウドでは異なり、オンプレミスでは信頼性が高いストレージが使われるが、クラウドでは拡張性があり、シンプルな構成のため多様な機能を備えていないという。

キックスモーラー氏は「重要な戦略はデータの扱い方であり、もし開発者がデータセントリックなアーキテクチャを利用できることに加え、オンプレミスとクラウドを統一化したものを活用できれば、それらの問題は解決が可能となる。われわれの究極の目標は、1つのデータアーキテクチャを提供し、オンプレミスとクラウド両方で利用できるようにすることだ」と、強調する。

  • オンプレミスとクラウドを併用することが重要だという

    オンプレミスとクラウドを併用することが重要だという

  • Pure Storageが提唱するデータセントリックアーキテクチャの概要

    Pure Storageが提唱するデータセントリックアーキテクチャの概要

Cloud Block StoreはAWS Marketplaceにおいて入手可能で、FlashArrayシリーズ搭載のOS「Purity」をAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)のコンピュートを使い、AWSでFlashArrayシリーズのブロックストレージの構築ができるという。

  • Cloud Block Storeの概要
  • Cloud Block Storeの概要
  • Cloud Block Storeの概要

また、ミッションクリティカルなアプリケーションをクラウドでシームレスに実行できるように設計されており、ハイブリッドでの機動性を実現し、Webスケールのアプリケーションに新しいストレージサービスの追加を可能としている。

さらに、AWSのインスタンスをレプリケーションできるほか、重複排除や圧縮、シンプロビジョニングなどの機能を利用することが可能。オンプレミスのアプリケーションをクラウドに移行するためだけでなく、クラウドで開発されたアプリケーションをオンプレミスに移行する際も利用が可能だという。

続いて、同氏はクラウドにデータをバックアップ/リカバリするサービスのCloudSnap for AWSとStorReduceについて説明した。

同氏は「現在のデータ保護はローカル環境でディスク→ディスク、最終的にオフサイト環境でテープにコピーしているが、バックアップは速いもののリカバリが遅いほか、保管スペースの確保やテープの保存に気を配らなければならないという課題が存在する」と指摘。

そこで同社は、ローカル環境においてフラッシュ→フラッシュ、オフサイト環境でクラウドとし、フラッシュとクラウドを活用したデータ保護を実現している。

キックモーラー氏は「バックアップ/リカバリの手法を変えるため、フラッシュ→フラッシュ→クラウドというモデルを提案する。既存の顧客がディスク→ディスク→テープの手法と同じ価格で提供可能だ」と意気込む。

  • フラッシュ→フラッシュ→クラウドのデータ保護を提案するという

    フラッシュ→フラッシュ→クラウドのデータ保護を提案するという

これらのビジョンを実現するために同社では、CloudSnap for AWSとStorReduceを提供する。CloudSnap for AWSは、クラウドベースのデータ保護機能がFlash Arrayシリーズに直接組み込まれており、FlashArrayのスナップショットをAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)に送信を可能とし、クラウド上でコストパフォーマンスに優れた高い保護姓を実現するとともに、オンプレミスとクラウドのどちらにでも柔軟にリカバリすることができるという。

Amazon S3にデータが移行されれば、リカバリをオンプレミスに構築でき、別のクラウドブロックストアにリカバリすることもできる。バックアップを使い、クラウドに移行することができれば、データの使い勝手がよくなるとしている。

  • CloudSnap for AWSの概要

    CloudSnap for AWSの概要

StorReduceは、クラウドネイティブの重複排除テクノロジーで、AWS S3ストレージへクラウドバックアップを高速かつ簡単に、経済的な方法で実現するという。そのため、オンプレミスのフラッシュと組み合わせて高速なリカバリを可能とし、ビッグデータやアナリティクス、クラウドのオブジェクトデータなど非構造化ワークロード向けのブレード型製品「FlashBlade」で利用し、ローカルのFlash Arrayのデータをリカバリする。

  • StorReduceの概要

    StorReduceの概要

StorReduceは、同社が8月末に買収した大規模非構造化データを管理するために、クラウドファーストのソフトウェア・ディファインド・ストレージのソリューションを提供するStorReduceの技術を活用。

  • CloudSnap for AWSとStorReduceを利用した場合のイメージ

    CloudSnap for AWSとStorReduceを利用した場合のイメージ

Cloud Brock Store for AWSとStoreReduceは12月20日にβ版を提供開始し、CloudSnap for AWSは今後リリースを予定している「Purity 5.2」において提供を予定している。