FreeBSDプロジェクトは2018年12月11日(米国時間)、「FreeBSD 12.0-RELEASE Announcement」において、FreeBSDの最新版となる「FreeBSD 12.0-RELEASE」の公開を伝えた。amd64(x86_64)版、i386(x86)版、powerpc版、powerpc64版、powerpcspe版、sparc64版、aarch64版(GENERIC、PINE64、PINE64-LTS、RPI3)、armv6 RPI-B版、armv7版(BANANAPI、BEAGLEBONE、CUBIEBOARD、CUBIEBOARD2、CUBOX-HUMMINGBOARD、GENERICSD、RPI2、PANDABOARD、WANDBOARD)などが提供されている。

FreeBSD 12.0-RELEASEの主な注目点は次のとおり。

  • OpenSSLを1.1.1a (LTS)をアップデート
  • Unboundを1.8.1へアップデートおよびDANE-TAをデフォルトで有効化
  • OpenSSHを7.8p1へアップデート
  • sshd(8)へcapsicum(4)サポートを追加
  • Clang、LLVM、LLD、LLDB、compiler-rt、libc++を6.0.1へアップデート
  • vt(4) Terminus BSDコンソールフォントを4.46へアップデート
  • vt(4)ドライバのテキストレンダリング性能を2倍から6倍ほど高速化
  • bsdinstall(8)ユーティリティにおいてUEFI+GELIインストールオプションをサポート
  • VIMAGEをデフォルトサポート
  • amd64 GENERIC/MINIMALにおいてNUMAオプションをデフォルトサポート
  • パニック時にカーネルクラッシュダンプを他のホストに転送するnetdump(4)ドライバを追加
  • armv6およびarmv7にcapsicum(4)サポートを追加
  • UFS/FFSにおいてTRIM/BIO_DELETEコマンドの統合による読み書き要求回数の削減
  • NFS 4.1にpNFSサーバサポートを追加
  • jail(8)およびvnet(9)におけるpf(4)パケットフィルタ機能の利用性向上
  • bhyve(8)にNVMeデバイスエミューション機能を追加
  • jail(8)内部におけるbhyve(8)利用のサポート
  • Lua loader(8)の改善
  • FreeBSD - The Power To Serve

    FreeBSD - The Power To Serve

ISOイメージベースまたはUSBメモリスティックイメージベースのインストーラが提供されているほか、SDカードイメージ、仮想ディスクイメージ、クラウドプラットフォームインスタンスなどが提供されている。インストーラはダウンロードサイトなどから取得することができる。

FreeBSDプロジェクトは安定版ブランチ単位で5年間のサポートを提供するとしていたが、セキュリティ状況の変化、ツールチェーンの変化の高速化、アップストリームコンポーネントサポート期間の縮小化といった状況の変化に合わせてこのモデルを再評価する必要がでてきたと指摘。持続可能なプロジェクト運営の実現を目指しつつ、2019年3月31日まで新しいサポートモデルに関して意見を募るとしている。

当面、12系ブランチに対しては最低限18カ月のサポートまたは13.0がリリースされてから6カ月間のサポートを提供するとしている。新たなサポートモデルは議論が完了してから別途報告すると説明がある。