ロート製薬は10月19日、国立感染症研究所より発表された風疹急増に関する情報を受けて、今年10月より全従業員を対象に風疹ワクチンの予防接種を無料化すると発表した。

国立感染症研究所によると、2018年7月下旬から首都圏を中心に風疹の患者が急増しており、2018年10月3日時点で952人とすでに昨年の10倍を超えるという。

同社は全社員を対象とした予防接種無料化を実施することで、社員の健康を守るだけでなく、予防接種を受けずに発症し、周囲への感染拡大を助長させないことが、会社をあげて取り組むべき課題と考えたとしている。

風疹は、妊娠初期から20週頃までの妊婦がかかると、胎児が風疹ウィルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があるとされている。

また、感染症流行予測調査(2017年)によると、成人男性は30代後半、40代、50代前半の世代で抗体保有率が特に低いことがわかっており、2018年の風疹患者報告の中心もこの年齢層の成人男性が多くなっている。

同社においても30~50代の男性社員が多く在籍しており、その多くが抗体検査やワクチン費用助成などの制度があることを認識しているが、仕事の多忙さから外部医療機関での予防接種を受けられていない現状があると考え、ワクチン費用無料化に加えて各職場での集団予防接種を実施することにしたという。