クレオは10月17日、ビジネスアナリティクスをクラウドサービスで提供するという「提案型データ分析ツール」を開発し、2019年1月の同社ユーザー限定のトライアル版公開に向けてユーザーによるテスト運用を開始したと発表した。一般向け公開は2019年7月の予定。
新サービスは同社独自というAI(人工知能)型分析ロジックにより、企業のデータ利用レベルを従来のBI(Business Intelligence)の領域から次のステージとなるBA(Business Analytics)の領域へ導くことで、高度な経営分析を容易に実現するクラウドサービスとして展開するという。
同サービスは、これまで分析担当者のスキルに頼っていたBAの領域を独自のAI型分析ロジックで自動化し、企業のデータ利用レベルを容易にBAの領域へと導き、多くの経営者が抱える経営分析の課題を解決するものだという。
中長期計画に直結する予実管理に特化し、会計システムの財務データと予算情報を取り込むことで、データ解析の専門家や経営コンサルタントのように、現状把握と着地予測、課題要因分析からその対策まで、業界の特性に配慮した提案を自動的に行うという。
さらに、複雑な操作スキルを必要としないユーザビリティと月額利用モデルの手軽さ、同社が提供する会計システムに加えて多様な会計システムとのデータ連携を前提にしたことで、多くのユーザーが利用する画期的なクラウドサービスとなることを目指しているとのことだ。
同サービスの特徴として同社は、「予実分析テンプレート」「予実AIエンジン」「業界別インテリジェンス」の3点を挙げる。
テンプレートに関しては、予実分析に必要な分析項目と分析軸を20種類以上の予実分析テンプレート(現状把握・予測・要因分析・対策立案)として、各種経営ダッシュボードと統計レポート上に予め定義しているという。
ユーザーによる設定作業は必要無く、アウトプットをそのまま経営報告用の予実分析レポートとして利用できるという。
全社単位・部門単位の予算比・前年比分析や着地シミュレーション、損益計算書に基づく科目単位の課題分析と対策立案など、データアナリティクスのスキルや分析ノウハウに関わらず、予実分析のベストプラクティスを容易に実行できるとしている。
予実AIエンジンは、予実管理に特化したセンシティビティ分析を行うAI型分析ロジックであり、従来のBIツールの統計に加え、着地予測(DOWNSIDE・UPSIDE)と収益性や企業価値、成長性といった多様な評価視点で、予実差異に対する問題点の特定とその改善提案を行う。
ユーザーは、専属のデータサイエンティストのアドバイスを受けるように客観性と専門性を持った視点の分析が可能といい、予実AIエンジンから、これまでの経営分析に新たな発見を得られるという。
なお、同サービスで使用するAI型分析ロジックは専門家の推論・判断を模倣するエキスパートシステムといい、予実管理に特化し、経営コンサルタントやCFOの業界別予実分析の知見を基に自動で分析結果から解決策の提案を可能にしているとのこと。
業界別インテリジェンスに関しては、収益性や資本効率性、生産性や成長性といった30種類以上の汎用KPI項目から企業価値を評価し、これに加えて業界別インテリジェンスでユーザーの業種に応じたKPI分析を実行するという。
例えば小売業については、来店者数や店舗床面積あたりの売上高、在庫回転率といった、業種特性に応じた問題点の把握と解決策をユーザーに提示するとのこと。
また業界別インテリジェンスは、各ユーザーの利用状況から業界別KPI分析の知見を集約していき、「予実AIエンジン」の提案力を向上させていくという。
これにより、ユーザーは業界別に追及した最適解を継続的に得られるとしている。
同サービスは、会計システムから財務データや予算情報を取り込み、業界別インテリジェンスが持つ業界特性に応じて、予実AIエンジンが現状把握から多様なKPI着地予測、予実差異分析と改善策の提案を行うという。
また、これらの一連のパフォーマンスは全て信頼性が高いというクラウド基盤上で展開し、高い安全性と利便性の下で、高度な予実分析を実現するクラウドサービスとして利用できるとしている。
同社は同サービスを、まず10月26日に開催予定の同社ユーザー会である「CREO USERS FORUM 2018」で先行公開し、2018年11月には同サービスの専用Webサイトを公開する予定だ。