トレジャーデータは2月14日、今後の同社の事業方針を説明するとともに、TREASURE CDPの新たな機能として、「予測リードスコアリング」を発表した。

米トレジャーデータ CEO 芳川裕誠氏

米トレジャーデータ CEO 芳川裕誠氏は、最近の市場動向について、「現在、デジタルトランスフォーメーションが盛んに行われているなかで、大企業のランキングの入れ替わりも激しく起きている。中でもAmazon、Google、Facebook、wish、Uber、Airbnbなどが台頭しており、これらの企業に共通なのはパーソナライゼーションで、これはデータ解析によって行われている。今後、企業は、パーソナライゼーションをしていかないと生き残っていけない。そのときに見てほしいのが、トレジャーデータの技術だ。自社にテクノロジーがなくても、トレジャーデータとパートナーになれば、データ解析においては競争力を提供できる」と語り、自社の存在感をアピールした。

そして、「データ解析はこれまで人にまつわるデータが中心だったが、一方で、IoTデータもあり、最近はこれらは近接しており、別々のデータのものが1つになろうとしている。その中心にあるのがビジネスイノべーションだ。たとえば、損保業界では、これまでお客様を理解することで保険料を算定していたが、最近は自動車のセンサーデータも併せて分析するようになっている」と述べ、今後は顧客データとデバイスデータをあわせて分析することで、ビジネスイノべーションを起こすことができるとした。

  • 芳川氏は顧客データとデバイスデータをあわせて分析することで、ビジネスイノべーションが起きると主張

米トレジャーデータ CTO 太田一樹氏

続いて登壇した米トレジャーデータ CTO 太田一樹氏は、今後は、同社がエンタープライズ領域に注力していく方針を打ち出した。

「トレジャーデータは最近、大手企業の採用が増えており、日本のトップ100の30%がわれわれの顧客だ。この分野は今後拡大していく見込みで、そのためにエンタープライズ向けの機能を強化していく」(太田氏)

同氏はそれに向け、①エンタープライズ向けスケーラビリティと複雑性に対応、②企業データ活用に関する課題を柔軟に解決、③マーケターの新たなる挑戦への支援、の3つに注力するとした。

「エンタープライズ向けスケーラビリティと複雑性に対応」では、GDPRに対応するほか、Pマークの取得、SAML対応、権限管理を強化。

「企業データ活用に関する課題を柔軟に解決」では、ID統合(クロスドメイン、クロスデバイス)とIDマッピングを、「マーケターの新たなる挑戦への支援」では、機械学習やエンタープライズ向けツールとの連携強化を行っていくという。

  • エンタープライズ領域の機能強化のロードマップ

今回発表した新機能である「予測リードスコアリング」は、マーケターの新たなる挑戦への支援の一環で、コンバージョン済みのデータを教師モデルとしてプログラムが機械学習して、スコアリングモデルを自動作成。その後、リードをスコア化し、未来にコンバージョンする可能性の高い見込み客を予測する。

  • 「予測リードスコアリング」

「現在、顧客のスコアリングは手動で行っており、それが正しいのかわからない。これは機械学習で解決できる」(太田氏)

また同社は、セキュリティ機能強化も行い、プライベートコネクトと監査レポートの2つの機能を発表した。

プライベートコネクトはデータセンターやクラウドをプライベートなネットワークで接続する機能で、監査レポートは誰が、いつ、どのデータにアクセスしたのか、トレジャーデータの中で調査し、監査に使えるようにする機能だという。

  • セキュリティ機能強化

トレジャーデータ 代表取締役社長 三橋秀行氏

トレジャーデータ 代表取締役社長 三橋秀行氏は、エンタープライズ領域強化について、「最近はデータ基盤だけでなく、課題解決のためのソリューションが求められており、われわれだけでサービスを提供することが難しくなっている。今後はパートナー連携を強化し、SIやコンサルティングファームなどの新たな領域のパートナーシップも強化していく」と述べた。

デジタルマーケティング・オンライン教材を4月より提供開始

また、同社は同日、4月よりデジタルマーケティング・オンライン教材を提供することも発表した。

提供するデジタルマーケティング・オンライン教材は、zero to oneと共同で企画、一橋大学大学院国際企業戦略研究科・藤川 佳則准教授の監修のもと、デジタルマーケティング業界の先端企業と共同で開発してきたもので、すべてオンラインで提供される。

教材は、マーケティングの基礎から、最新のツールや実際の事例まで学ぶ内容で、ビデオ教材、教材用スライド、事例紹介、確認テストなどから構成されているという。価格はユーザー数に応じたID課金を想定しており、2020年までに、100社以上、数千人規模のデジタルマーケティング人材育成を目指すという。

  • デジタルマーケティング・オンライン教材を4月より提供開始