ASUSは1月4日(米国時間)、AR(拡張現実)機能とVR(仮想現実)機能をサポートするスマートフォン「ZenFone AR」を発表した。ARはGoogleのTangoテクノロジー、VRはGoogleのDaydreamプラットフォームに対応する。

Tangoを使ってテーブルの上にサーキット

TangoはGoogleのATAPグループで開発されたモバイルARテクノロジーだ。様々なセンサー群で周囲の3D測定を行い、ユーザーを囲む空間をモバイルデバイス内に構築し、現実環境と仮想環境の境界線のないAR体験を実現する。たとえば、部屋のインテリアを改装する際に、スマートフォンを通して部屋に壁紙を貼ってみたり、家具を置いて確認するというようなことが可能になる。ZenFone ARはTango向けに「TriCam」というシステムを搭載しており、背面に2300万画素のカメラ、モーショントラッキングカメラ、深度計測カメラを備える。

Daydreamは、Googleが開発しているスマートフォンを用いたモバイルVRプラットフォームだ。Googleの「Daydream View」など対応するゴーグル型ヘッドセットに、対応スマートフォンを装着するだけで、簡単に快適で没入感のあるVR体験を実現する。昨年末に一般の利用が可能になったばかりで、対応スマートフォンはGoogleの「Pixel」シリーズとMotorolaの「Moto Z」シリーズのみとまだ少なく、今後の増加が予想されるが、現時点でZenFone ARはDaydreamを楽しめる数少ない選択肢の1つになる。

Tangoは毎秒25万回以上もの3D測定を行う。Daydream VRではヘッドセットにスマートフォンを挿入するため、発熱を抑えながら仮想空間をスムースに表示するグラフィックス性能を引き出さなければならない。ZenFone ARはSoCにSnapdragon 821を採用しており、グラフィックスはAdreno 530、そしてスマートフォンとして初めて最大8GBのメモリーを搭載する。これらとVapor冷却システムとの組み合わせで効率的な動作を実現する。

メタルフレームの筐体は背面にレザーが貼られている。シンプルなミニマリスト・デザインであり、Tangoで端末を持った時にしっかりとホールドできる機能性を兼ね備える。

  • ディスプレイ:5.7インチ、WQHD Super AMOLED(2560×1440)、Gorilla Glass 4
  • SoC:Qualcomm Snapdragon 821
  • メモリー:最大8GB
  • ストレージ:最大256GB (UFS 2.0)
  • カメラ:2300万画素/F2.0、ソニー IMX318(背面)、800万画素/F2.0(前面)
  • ワイヤレス:Wi-Fi(802.11 a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2
  • バッテリ-:3300mAh
  • サイズ:158.67×77×4.6~8.95mm
  • 重量:170g
  • OS:Android 7.0 with ASUS ZenUI 3.0
  • カラー:ブラック