電力事業に参入する意義

質疑応答には、石川専務と、KDDI商品・CS総括本部エネルギービジネス部の都築実宏氏が対応した。

KDDI側のメリット、および電源の調達先について聞かれると、石川専務は「auのお客様にサービスを提供して、ご満足いただきたい。auの経済圏の拡大にもつながる。電源は、一般的な電力事業者さんから供給いただく。自前の電源も使う」と回答。

質疑応答で記者団の質問に回答する、(左から)都築実宏氏、石川雄三氏

沖縄と一部の離島では提供しないとしているが、今後については「まだ何も決定していない」、関西電力の管内でキャッシュバック率が最大12%と大きく設定されている理由については「競争環境を総合的に判断した。関西電力と協議した上で、我々の判断で料金を設定した」とコメントした。

ソフトバンクでんきなど、競合他社との差別化要素について聞かれると、石川専務は「同じようなプランをご契約で、使用量が400kWh程度なら、他社さんは高くつく。多く使った月でも、他社さんの割引率はだいたい5%以下。東京電力、中部電力、関西電力の管内での競争力は、au でんきのほうが上」と強みを語った。加えて、「割引率で比べるのは意味がない。実態上の料金を見ていただきたい。au でんきは季節変動にも対応して、常にお得になるプランになっている」と繰り返し強調し、自信を見せた。

このあと、石川専務は囲み取材にも対応した。

初年度の数値目標については「あるけれど未公表」とのこと。JX日鉱日石エネルギーとの提携の進捗状況について質問が及ぶと「まさに現在、中身を詰めているところなので。もう少ししたら、具体的なお話ができる」と答えるにとどまった。

囲み取材に対応する、石川専務

コアターゲット層を聞かれると「3人前後の世帯で、電気を毎月8,000円以上を使っているお客様。調査によると、電気代が500円くらい安くなるなら検討したい、という人が多かったため」とした。

au でんきを提供する理由については「大前提としてニーズがあった。KDDIでは単に料金を安くするだけでなく、ICTの技術で使用電力量の見える化を進めて、お客様の節電意識に繋がるような仕組みを提供したい。そこにICT企業である我々が、電力事業に参入する大義がある」とし、電力事業への参入に対し意気込んでいた。