ソフトバンクは4日、 2016年3月期第2四半期決算説明会を開催した。孫正義グループ代表は、海外投資のこと、後継者の問題、PHSサービスの今後などについて言及している。本稿で順を追って紹介していこう。

第2四半期 決算説明会に登壇する、孫正義ソフトバンクグループ代表

海外投資について

「以前は、盆栽に水をやって大きくなるのを祈るように、趣味のような感覚で海外投資をしていた」と孫代表。参謀としてニケシュ・アローラ氏を得てからは、具体的にどのように変わったのだろうか。

孫代表は「ニケシュが来る前は、時間的な余裕も、心の余裕もなかった。いまは彼が世界中を飛び歩き、交渉してくれる。既存の株主を説得してくれる。世界的にも優れた、有能な配下を率いて、プロフェッショナルなチームとして動いてくれる」と説明。ニケシュとは毎日のようにやりとりし、より広く、深く、速く、専門的に海外投資を進めているとのことだ。

決算説明会に同席していた、ソフトバンクグループ 代表取締役 副社長のニケシュ・アローラ氏

後継者の問題

そのニケシュ・アローラ氏は、孫代表から後継者に指名されている。孫代表によれば、彼を後継者にしたい、という思いは日増しに強くなっているという。「彼が来る前と、来てからでは気持ちの持ちようが全く違う。後継問題は、常に頭の重石になっていた。いまは、パスをする相手が見えている。それが安心感に繋がっている」と孫代表は説明している。

PHSは廃止?

孫社長は、PHSについて「時代はPHSからスマホに移っている」と前置きした上で、「PHSを好んでいるお客さんもたくさんいる。エレベーターの中、ガスのメーターなどにはPHSのチップが入っている。M2Mなどでも利用されている」と説明。「需要のあるところは、サービスを進めないといけない。ただ継続、廃止の検討は常に行っている」と話した。

端末の割賦払いは分かりづらい?

総務省で進められている「携帯電話の利用料金」の引き下げ議論。端末の割賦払いが料金システムの複雑さを助長している、との声もあることについて、孫代表は「我々が参入する前の市場では、携帯電話は無償に近い形で提供されていた。これにより、半年ごとに乗り換えていくような風潮もあった」と言及。

そして「ソフトバンクが参入して、端末と通信のサービスを分けた。端末メーカーから携帯電話を5~6万円で買い取って、お客さんには利用料から値引きして提供する。この"割賦販売"は、世界で初めての販売方法だった。当初、業界にもお客さんにも理解してもらえなかった」。しかし、いまや競合他社のみならず、世界中の通信事業者が割賦販売を採用している、とこれまでの経緯を説明した。

しかし「いまでも分かり辛いところがある」と認める。そこで同社では、もっと分かりやすいシステムの導入なども考えているとのこと。ただ、この割賦販売により、日本市場ではiPhoneが世界一安く提供できているのも事実だという。孫代表は「そんなメリットも、ときどきは思い出してほしい」と話していた。