ズーム・手ブレ補正機能

ズーム機能については、センサーの画素数が2,070万画素から2,300万画素に増加し、この高画素化を生かした「クリアイメージズーム」機能を搭載。画像の中央を切り抜き、超解像で画素補完する、という仕組みのようだが、ある程度の画質劣化はするはずだが、通常のデジタルズームよりはキレイにズーム撮影ができるだろう。「暗所の撮影が強いのを売りにしてきたが、それはそのままで、AFで世界最速、ズームにも強くなった」と伊藤氏はアピールする

手ブレ補正のSteadyShotは、ビデオフレームを解析して、端末のジャイロセンサーと組み合わせることで手ブレを電子的に抑える仕組みで、機能としては従来通りだが、カメラモジュールの変更で性能が向上したそうだ。スマートフォンでも光学式手ブレ補正対応の製品があるが、静止画はともかく、動画では光学式手ブレ補正よりも電子式の方が有効だと判断しているという。

ソニーは、平井一夫社長の就任以来、「ワンソニー」を掲げて、部署を超えた連携で製品の性能向上などを図ってきた。Xperiaもこれまで、カメラのサイバーショット部隊と連携してきた。とはいえ、実際のところ「カメラ」と「スマートフォン」の部隊を完全に連携できたメーカーは、国内スマートフォン事業を休止したパナソニックのDMC-CM1ぐらいだろう。取材をする限り、ソニーだけでなくサムスンもカメラとスマートフォンの融合には苦心しており、Xperiaが完全にサイバーショットの画質に追いついていたかというと、そうでもなかった。

しかし今回、サイバーショットに加えて一眼カメラαの部隊もソニーモバイルにも所属して開発を行い、イメージセンサーを開発する部隊も協議に参加した、と伊藤氏。スマートフォンとカメラの垣根をなくし、お互いが協力して開発した点を強調する。 画質評価は、αなどとのレベルは違うものの同じテストを行って評価しているとしており、どこまで「ワンソニー」として画質を追い込めるか、実際の製品化が楽しみではある。