多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『今度のAndroid OSは「いざというとき駆動時間を90分延長できる」ってホント?』という質問に答えます。

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Googleは10月16日、次期Android OS(5.0)の愛称が「Lollipop(ロリポップ)」になることを正式に発表しました。6月に開催された開発者イベント「Google I/O 2014」では、「Android L」というコードネームで説明されていましたが、Android 1.5以降続く菓子の名前(Ice Cleam Sandwich、Jelly Bean、KitKatなど)が正式に冠されることとなりました。

そのLollipopですが、新デザイン「Material Design」が採用されるほか、開発フレームワークに5000以上の新機能が追加されるなど、現在のAndroid 4.x(KitKat)と比べると大幅に変化しています。高速化の一方で効率化も進められ、なかでも省電力機能はバッテリーのもちに直接影響することから、多くのユーザの関心を集めています。

Lollipopの省電力機能は、機能というよりもバッテリー消費量を減らし稼働時間を少しでも長くしようとする試み全体のことで、アプリ開発者にはより精緻な電力管理を可能にする開発資源(API)が提供されます。アプリがいつ/どの程度電力を消費したか履歴を調査できる「Battery Historian」や、バッテリーの状態に応じてアプリの挙動を厳しく管理する「Job Sheduler API」がその一例です。

現在販売中の実機による検証が行われていないため、実際の効果に未知数の部分はありますが、バッテリー消費量が大きい特定のアプリを終了させたり、ディスプレイや通信機能をオフにしたりをAPIコールで一括処理できるということは、"徹底的な省エネモード"をつくるには有望といえます。「90分」という時間は、バッテリーの状態にも左右されるため短くなる可能性はあるものの、バッテリー残量が乏しいときの助けになることは期待してよさそうです。

次のAndroid OS「Lollipop」では、開発者向け電力管理ツールの充実により、バッテリー消費量削減に効果的な機能が多数追加される見込みです

(記事提供: AndroWire編集部)