デベロッパーでの勝利の鍵となった「ショートカット」

デベロッパーのコースの詳細は、東京地区大会で紹介しているのでそちらを見ていただくとして、昨年のコースと比べてレイアウト面での最大の変更点は、ゴールが遠くなったことだ(画像5)。昨年までは今年の第4中間ゲート(画像6)にゴールがあったのだが、そこからさらに先に進んだところにゴールが用意されたのである。難所は、インコースがルックアップゲート(LUG:画像7)とガレージイン(画像8)。アウトコースはシーソー(画像9)とガレージインだ。LUGおよびシーソーは1回通過のシングルと1回通過したあとに戻って2回通過するダブルがある。

ボーナスタイムは、リモートスタートで-5秒、中間ゲート通過が各-5秒、ゴールが-10秒、LUGとシーソーのシングルが-5秒、ダブルが-10秒、ガレージインが-5秒。どちらのコースもLUGとシーソーのダブルを決めると、パーフェクトで-50秒のボーナスタイムとなる。

画像5(左):今年は昨年までのゴールが第4中間ゲートとなった。 画像6(右):ゴールまでの距離が延長された

画像7(左):LUGを通過中。走行体は「猪名寺駅前徒歩1分」(三菱電機マイコン機器ソフトウエア/関西)。 画像8(中):シーソーを渡っている最中。走行体は「スーパーHTSくん」(ヒューマンテクノシステム/九州)。 画像9(右):ガレージインを決めた様子。走行体は「MTHS」(沖縄県立美来工科高等学校ITシステム科/沖縄)

また、2013年の特徴としては、昨年まで高速タイムを出すための必須テクニックだった「尻尾(出しor下ろし)走行」はベーシックステージでは禁止となった。その一方で、1つ増えて4つになった中間ゲートの内、第2、第3は通らなくてもOKということになったので(去年までは全中間ゲートの通過が義務づけられていた)、2013年のタイム短縮における必須テクニックの1つとなったのが、「ショートカット」だ。きっちりと決まれば、中間ゲートの通過で得られる-5秒のボーナス以上のタイム短縮が狙えることから、全27台中の11台がイン側走行時に行い、アウト側走行時には6台がショートカットを行った。

最もショートカットが多く行われたのが、第1コーナーを通過した先のセカンドストレートと第3コーナーの入り口が接している箇所だ(画像10・画像4の(1))。第1中間ゲート通過後であれば、どこでショートカットしてもいいが、この接している部分は障害物が置かれることはないので、多くのチームがこの近辺で行う(画像11)。

ただし、厳密にはショートカットのライン取りはチームさまざまで、画像12の「AC.Sonic13」(アンリツ/南関東)や「じぇっとあーる」(ジェイテクト/関西)などは、第1中間ゲートを通過した直後(画像4の(1)'の地点)に緑地のコース外のエリアを通って第3コーナーのクリッピングポイント付近(画像4の(2)の地点)ギリギリにショートカットし、可能な限りのタイム短縮を狙っていた。その一方で、画像4の(1)のポイントを少し過ぎてしまってから戻るようにしてショートカットするなど、やや遠回りしているチームもあった(おそらく、ショートカットした先のラインの見つけやすさなども関連しているのだろう)。

画像10(左):第1コーナー先のコースが接している辺りがショートカットポイント。ここを使用したチームは11チームあった。 画像11(中):一般的なポイントでショートカットする「チーム六文銭」(日置電機/東京)。 画像12(右):AC.Sonic13。最速タイムを狙ったチームは、第1中間ゲートのポールをかすめるようにショートカットしていった

また数は少なかったが、画像4の(3)の近辺でショートカットを行ったチームも2台ほどあった(画像13)。ここは(1)ほどコース同士が接してはいないが、アウト側とアウト側が最も接近する場所のため、アウト側のチームがインへの「レーンチェンジ」(後述)を採用しないのであれば、唯一狙えるといっていいポイントである。画像13の「チームUltraQさま」(コニカミノルタ/東京)のほか、「ARASHI50」(日本無線ソリューション技術部/東京)が行っていた。

ただし、緑地のコース外を通るため、そこに障害物が置かれる可能性があったが、CS大会はスカイツリーなどの全国のご当地オブジェ以外はほとんど置かれておらず、地区大会に比べると非常にスッキリとしていたため、ショートカットしやすい状況になっていた。なお、アウト側を走行した際に全27台の内6台がショートカットを行ったが、その内の4台はまずインへレーンチェンジしたあと、(1)で行っている。

画像13。手前のご当地オブジェで見づらいが、チームUltraQさまが(3)でショートカットしている瞬間