多くのユーザーの"デフォルトアプリ"になったLINE

LINE、カカオトーク、Skype、COMM……これは若者を中心に人気となっている無料通話・メッセンジャーアプリ達だ。それぞれ、iPhoneとAndroidの垣根を越えて利用できるサービスなのでスマートフォンで使える身近な連絡手段として定着しつつある。特にLINEの普及率はダントツだ。2013年1月現在、全世界利用者数1億件を突破し、日本でもスマートフォンにインストールする"必須アプリ"として紹介されることも多い。

なぜアプリでの通話が無料になるのか。それは、通信キャリアの音声回線を使うのではなく、音声をデータ化してパケット定額のデータ回線で相手と通話するからである。データ回線をつかった通話は、以前からSkypeがパソコンでこれを実現していた。その仕組みをそのままスマートフォンで実現しているのがLINEを初めとするスマートフォンの無料通話・メッセンジャーアプリなのである。

さて、その中でもLINEの人気の理由は、やはり利用ユーザー数が多いことだろう。相手のLINE IDさえわかれば、電話番号やメールアドレスアドレスを知らずとも無料の通信ができきる。ただし、同じアプリを使っているユーザー同士でなければサービスは利用できないため、ユーザー数の多いLINEに人気が集中しているのだ。

無料ということで音声通話機能に注目しがちだが、多くの利用者が重宝しているのは実は文字でのメッセンジャー機能なのだ。メッセンジャーは、プッシュ配信でタイムリーに送受信でき、メールというよりチャットに近い。もちろん、同じアプリであれば無料通話サービス同様、機種、OS、キャリアも問わずやりとりできる。さらに、スタンプといった機種やキャリアに依存しない共通のイラスト絵文字も使えるのも人気だ。

先に書いたがLINEは機種やキャリアの垣根を越えて利用することができる。ということは、機種変更やMNP(ナンバーポータビリティー)を利用してもアカウントIDを変えることなく次へと引き継ぐことができる。また、自ら登録した(または許可した)相手とのみ、やり取りができるので迷惑メールに悩むことも無い。これも人気となっている要因のひとつだろう。

LINEは女性ユーザーを中心に広がっている。「LINEなら個人情報であるメールアドレスを教えなくてもいい」といった理由から、「LINEで連絡して」と伝える女子も多いという。LINEは今やキャリアメールに変わる文字通信手段になりつつある。

街中でLINEの呼び出し音を聞く事も多くなった

これだけ普及し便利なサービスだが、問題も起こっている。2009年2月に出会い系サイトが法律で規制され、以前のような出会い系のトラブルは抑止された。だが、無料通話・メッセンジャーアプリ普及とともに、このサービスを出会い目的として利用するユーザーが現れている。特にアプリの利用者数の多い女子学生や未成年者が巻き込まれるのではないかと懸念されている。

アプリ提供元もIDを記載して募集する非公認の掲示板等の利用中止を呼びかけたり、KDDI端末においてはLINEを未成年者が利用する際にIDが交換できないようにするなど、未然にトラブルを防ぐ対策がはじまっている。

しかし何よりも、ユーザー各自がしっかりと良識やモラルを守ってサービスを利用すること、更に自分の個人情報の扱いには充分慎重になる事が大事である。是非、注意して利用頂きたい。

その上で、正しく利用さえすればこれほど便利で通信費節約に貢献するサービスは無いだろう。スマートフォン購入時に、パケット定額サービスを契約するのが当たり前となった今日、LINEなどの無料通話・メッセンジャーアプリを上手に活用することで、通信費を節約することができる。他キャリアを契約している友人への通話に利用したり、ちょっとした用事はメッセンジャーを利用するなど、工夫次第で毎月の音声通話料を減らす事ができるはずだ。

今後もLINEをはじめとする無料通話・メッセンジャーアプリの普及が続くのは間違いないだろう。このサービスを上手に利用して、モバイルライフを便利に楽しくしたいものである。

(記事提供: AndroWire編集部)