高いコストパフォーマンスで他社製品より優位に立つ

──スイッチ製品では競合他社に対してどのように差別化を図っていますか。

ロー氏 : 我々のスイッチは、競合他社のそれと比べて性能は同じでも価格は10分の1といったように、高いコストパフォーマンスを強みにしています。10Gbitスイッチが50万円以下で買えるなどというのは、当社製品だけでしょう。ターゲットも、大企業のブランチオフィスや中小規模の企業などに絞っています。

他社製品と比べて価格が同じ、もしくは低くても、機能は豊富というのは、スイッチに限らずすべての製品カテゴリーにおける当社製品の特徴と言えるでしょう。

──国内では未発表ですが、御社ではこれまで挙げていただいた製品以外にセキュリティアプライアンスも最近手がけていますが、こちらはどのような狙いがあるのでしょうか。

ロー氏 : インターネットに接続するには、当然ながらセキュリティ対策が欠かせません。現在多くのセキュリティベンダーからセキュリティアプライアンスが発売されています。しかし、当社のスイッチやNASを利用しているお客様であれば、我々のセキュリティアプライアンスのログを自動でNASに記録するといったように、当社製品と併せて利用することでさまざまなメリットが得られるようになります。

また、セキュリティについて言うと、監視カメラを使ったソリューションにも力を入れています。ちょうど1ヶ月前には、中小企業向けのビデオ監視システムを発表しました。一方、大規模なものでは香港銀行のATMに設置しているビデオ監視システムも手がけており、そこには当社のNASが使われています。こうしたビデオ監視システムは、これから大きな市場に成長すると睨んでいます。

IEEE802.11acの認可を睨み、日本市場での攻勢をさらに強化

──日本市場での戦略についてお聞かせください。

ロー氏 : 日本の市場に対しては、ビジネス向けはNASとスイッチに、コンシューマー向けはWi-Fiルータとネットワークゲートウェイにフォーカスするという戦略を2年前から採っており、今後数年はこれを継続していくつもりです。

日本市場は日本企業が強いためとても競争が激しいですが、これまで同様に毎年30%以上の高い成長率を維持できると見込んでいます。

──日本市場ではどのような業界での売上が大きいですか。

ロー氏 : 特に強い業界は教育、医療、流通の3つですね。

──その理由はどこにあるのでしょうか。

ロー氏 : これらの業界では、現在ワイヤード(有線)からワイヤレス(無線)への移行が急速に進んでいます。我々には世界中のWi-Fiネットワークで導入されている実績がありますから、そこがお客様に信頼されているのでしょう。また、流通業界はブランチオフィスが非常に多いというのも、ブランチオフィスに強い当社製品が選ばれている理由だと思います。

日本ではまだIEEE802.11acの規格が認可されていませんが、アメリカやヨーロッパでは既に採用されており、日本でも近く認可されるのは間違いないでしょう。そうなると、IEEE802.11acに関する高い技術を有する当社の優位性はさらに高まると期待しています。

──最後に、今後のビジョンをお聞かせください。

ロー氏 : 我々のビジョンは、家でもオフィスでもモバイルでも、あらゆる場所でハイスピードなネットワーク環境を提供し、そしてさまざまなデバイスを使ってクラウドサービスを利用できるようにすることです。そのためにも、当社の力の根幹である、継続的な技術革新を一層心がけていくつもりです。