Samsung Electronicsの次期フラッグシップ端末として間もなく発表が噂される「Galaxy S III」。2月1日(現地時間)の英TechRadarの報道によると、今月2月末にスペインのバルセロナで開催される予定の「Mobile World Congress 2012 (MWC 2012)」では、発表されない見込みだという。

一方で既存のスマートフォン製品の強化版、新型タブレット、モバイルOS「Tizen」を搭載したIntel SoCベースのタブレットの発表の噂があり、引き続き注目すべきラインナップが拡充しつつある。

TechRadarの報道によれば、今回MWCのタイミングでGalaxy Sシリーズの後継機はリリースされないものの、実際の製品ローンチが近付いた2012年前半のいずれかのタイミングには別のSamsung主催のイベントの中で正式発表を行う予定であるという。なお過去のGalaxy SやGalaxy S IIは、どちらも米国で3-4月ごろに毎年開催されているCTIA Wirelessのタイミングに合わせて発表されている。今年のCTIAは開催時期が例年よりも遅く、5月初旬に米ルイジアナ州ニューオーリンズでの実施が予定されている。もしGalaxy S IIIがMWCのタイミングで登場せず、CTIAの時期に合わせるのであれば、この5月初旬が発表の当面のターゲットになるとみられる。

フラッグシップ製品を欠くことになるとみられるMWCの時期のSamsungだが、実際にはよりバリエーション豊かなラインナップが出揃うことになりそうだ。その1つがスマートフォン製品のリフレッシュで、InfoMobileによれば「Galaxy S Advanced」と呼ばれる新製品の登場が見込まれるという。Advancedという名称こそついているものの、実際には既存のGalaxy Sシリーズの廉価版で、4インチAMOLED、デュアルコア1GHzプロセッサ、Android 2.3といった特徴を持つ。またNexusシリーズ以外では同社としては初の曲面タッチスクリーンを採用しているようだ。このほかCNETによれば、Galaxy S IIのスクリーンサイズを4.3から4.5に拡大してパフォーマンスを強化した「Galaxy S II Plus」というバリエーションもあるようだ。

また興味深いのはタブレット製品で、Android Communityによれば11.6インチのGalaxyタブレットの発表計画があるという。詳細は不明だが、それによれば2560×1600の超高精細パネルが採用されるとのことで、これが本当であれば相当のハイエンド端末となりそうだ。またPC MagazineではIntel幹部の発言を引用して、同時期にIntel SoCを搭載したタブレット端末が出る可能性について言及しており、これがTizenベースのタブレットであるとしている。Tizenとは、オープンソースのMeeGo Projectの後継にあたるもので、当時はNokiaとIntelが主導的立場にあったが、TizenではNokiaに代わりSamsungが参加している。このほかTizenにはLiMoやWACなどの業界団体が合流しており、LinuxをベースにしたAndroid以外のモバイルOSプロジェクトがすべて集合したような体裁になっている。

(記事提供: AndroWire編集部)