分配器とは、電気信号を一定に保って配分する機器です。この分配器をアンテナと使用することで、1つのアンテナ端子の電波を、複数のテレビへ分けることができます。しかし、「アンテナ線と分配器をつなげよう」と思っても、分配器の種類が多く困ってしまうことがあるかもしれません。
この記事では、分配器の役割や使い方、また種類についてもご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
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保証期間 | 8年 |
見積もり後のキャンセル費用 | 無料 |
対応エリア | 全国対応 |
運営会社 | シェアリングテクノロジー株式会社 |
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分配器は複数のテレビをつなげたいときに使う!
分配器を通してアンテナ線から出る信号を配分することで、複数のテレビで電波を受信することができます。ひとつのアンテナを使って、数台のテレビで映像を見られるのです。
とても便利な道具ですが、使い方や設置方法がわからないと、ついつい不安になるものです。そこで、まずは分配器について簡単に理解して、使い方についての知識を増やしてみましょう。
この項目では、分配器をつなげる方法や、分配器に似た名前の「分岐器」「分波器」についてご紹介します。これから分配器を使ってみたいとお考えの方は、分配器の初歩を知る機会にしてみてください。
分配器のつなげ方
アンテナ線を分配器につなげるときには、下記の方法を参考にしてください。
〇入力側…アンテナからのケーブルを接続
〇出力側…テレビへのケーブルを接続
しかし、分配器の種類によってはテレビ側の配線が一体化していることもありますし、衛星放送の種類によっては用意する分配器の種類が異なります。そのため、どの種類のチャンネルを視聴したいのか、確認してから分配器を購入するようにしましょう。
つなげる台数が多ければブースター一体型がおすすめ
つなげるテレビなどの台数が多いのであれば、分配器とブースターがひとつになった「ブースター一体型分配器」の使用がオススメです。
分配器はアンテナからの電波を複数のテレビに分ける機器ですが、じつは電波には「分配されるとそのぶん力が弱くなる」という特徴があります。ただ分配器につなげただけでは、かえってテレビの映像が見づらくなることもあるのです。
そこで、その対策として、電波が分配器にたどり着く前の段階で電波を増幅させておきます。その際に使用されるのが、「ブースター」と呼ばれる電波増幅装置です。
ブースターは単体で売られているものが多く、分配器とは別に設置することもできますが、どうせ設置するのであれば、一体型のほうがパーツ1個で済むのでスマートです。あれこれ機械をくっつけて配線をごちゃごちゃさせたくないという方は、一体型を使ってみるとよいでしょう。
よく似た形・名称である「分岐器」「分波器」との違い
分配器のほかにも、電子機器に接続する装置のなかには「分岐器」「分波器」というものがあります。この3つはよく似た形と名前なので、「分岐器」「分波器」について、分配器との違いを見てみましょう。
〇分岐器
流れている信号を分けるときに使う機器で、端子の数によって1分岐器・2分岐器・4分岐器種類があります。分配器は端子の数ごとに信号の量を均等に分けることができますが、分岐器は均等な量にはなりません。
つなげたいテレビごとにアンテナからの距離に差がある場合、分岐器を使うと信号の大きさをうまく調整できるので、どのテレビもきれいに映りやすくなります。
〇分波器
分波器を使用すると、電波の周波数を分けることができます。地上波と衛星放送の信号を分けて、テレビ・レコーダーへつなぐときに使用できるタイプです。テレビごとに映すチャンネルを変えたいときには、分波器を使いましょう。
このように「分配器」「分岐器」「分波器」の3つは名前こそよく似ていますが、それぞれの役割は大きく異なります。どのような働きがある機器なのかを簡単に頭に入れておいて、混合しないように使用しましょう。
分配器の「通電端子」って、いったいなに?
BSやCSなど衛星放送用のアンテナは、アンテナ線を通る際に信号の周波数を変化させています。周波数を変換させるときにも電力が消費されるのですが、その電源は、テレビ側から送られる電力が使われています。
ここでは、1端子通電型の分配器と全端子通電型の分配器の特徴やテレビの設定について、また通電端子についてご紹介します。
「1端子通電型」と「全端子通電型」の違い
分配器には、「1端子通電型」と「全端子通電型」という2つの種類があります。
■1端子通電型
・指定された1台のテレビからのみ電源供給ができるタイプ
・テレビの電源を切ると電源供給がされなくなり、電波も受信できなくなる
■全端子通電型
・端子につないでいるすべてのテレビから電源供給ができるタイプ
・分配器には常に電源が供給され、テレビの電源を入れることで電波受信が可能
以上のように、1端子通電型と全端子通電型ではそれぞれ異なる特徴をもっていますので、実際に選択する際にはどちらを選ぶべきか迷ってしまうかもしれません。
金額の安さを重視する場合は「1端子通電型」がオススメですが、「1端子通電型」を選ぶことによって、取り付けるテレビの数や見たいチャンネルが限られることがあることには注意しましょう。「複数台のテレビで多くのチャンネルを見たい」という方は、すべての端子から電源供給をおこなえる“全端子通電型”を選択すると安心です。
テレビの設定も一度確認を!
分配器の通電端子を使用するためには、テレビでアンテナの電源供給の設定を確認しましょう。「切」になっていると使用することができませんので注意が必要です。
4K/8K放送を楽しみたい場合も通電端子には注意!
テレビが4K/8K放送の場合でも、アンテナでの周波数変換はおこなわれています。そのため、アンテナへの電源供給が必要になります。しっかりアンテナへ電源供給がされているか、確認するようにしておきましょう。
「1端子通電型」の分配器を利用できるパターン4選
先ほどもご説明したとおり、全端子通電型よりもやや使い勝手は悪いですが、費用面でいえば1端子通電型のほうが安く済みます。「分配器の購入を安価に済ませたい」という方は、この1端子を選んでみてもよいでしょう。
ここでは、そんな1端子通電型がどのような場合に使用できるのか、簡単にご紹介します。どのようなチャンネルを見たいか、シチュエーションによってわかりやすく解説いたしますので、ぜひご参考にしてください。
地デジのみを受信したい場合
地デジだけを受信したい場合は、1端子通電型分配器を使用します。地デジだけを鑑賞するときは、アンテナとテレビ間で電力や電波を互いに行き来させる必要がないからです。
地デジを受信するのは、UHFアンテナと呼ばれる矢印型のアンテナで、屋根の上などに立てられることが多いです。UHFアンテナは電力がなくても作動するタイプで、アンテナが受信した電波を、分配器を通して一方的にテレビに送っています。
一方、BS放送を見るために必要なBSアンテナは、分配器との接続回路を通して、テレビ側から電力を送らなければ使用することができません。BS放送を見るときは、テレビ側からの電力と、BSアンテナ側からの電波が互いに行き来することになります。この場合、1端通電型分配器ではうまく映らないのです。
CATV(ケーブルテレビ)・光テレビ・マンション共同受信などの場合
CATV(ケーブルテレビ)・光テレビ・マンション共同受信などの場合は、事前に周波数の変換がおこなわれています。電源供給を戸別でおこなう必要がないため、1端子通電型分配器を使用することができるのです。
特定のテレビだけでしかBS/CS放送を見ない場合
特定のテレビのみでしか衛星放送を見ない場合には、衛星放送を映したいテレビを通電端子に接続させる必要があります。
全端子通電型分配器では、分配器についているすべての端子が通電しているので、そのうちのどの端子につないでも見ることができます。しかし、1端子通電型分配器の場合は、端子のうち1つしか通電ができません。衛星放送を見たい特定のテレビをつなげる端子を間違えないよう、注意してつなぎましょう。
通電端子に接続するテレビが「スタンバイ状態」でも電源供給できる場合
デジタルテレビの場合は、電源が「切」の状態とスタンバイ状態になっているのが基本となります。しかし、テレビの設定によってはスタンバイ状態でも電源供給できる場合もあり、その場合には1台のみで供給をおこなっても問題はありません。
アンテナ線に分配器を接続するときのポイント
ここからは、アンテナ線に分配器を接続して使用する場合の注意点をご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
分配器の数は必要最低限に!
アンテナ線に分配器をつなぐとき、分配器の数は必要最低限に留めましょう。前述のとおり、電波には、分配するとそれだけ微弱になってしまうという性質があるからです。
分配器を使うと、テレビの電波をいくつものテレビに分けて、数台のテレビを見ることができるようになります。しかし、分配器をつけすぎると、テレビの電波を何度も分けることになり、そのぶん電波が弱くなります。
電波が弱いと映像がうまく映らないなどの悪影響が出るため、映像や音声をできるだけきれいに受信したいなら、少数の分配器にとどめておきましょう。
信号が弱ければ「分配器よりアンテナ側」にブースターをつける
分配器を使ってテレビの映りが悪くなった場合は、「分配器よりアンテナ側」に、ブースターをつけるとよいでしょう。これは分配器よりもテレビ側にブースターをつけると、かえってノイズがひどくなるおそれがあるからです。
先ほどもご説明したとおり、ノイズが生まれるのは分配器が電波を分配したときなので、分配されたあとの電波をブースターで増幅すると、分配時に生まれたノイズまで一緒に増幅されてしまうのです。こうすると、「ノイズ入りの電波がしっかり届いている」という状態になり、テレビが見づらくなる原因となります。
分配器とブースターを使ってテレビを見やすい状態にするなら、アンテナ側にブースターをつけて、分配器を通るより前の、ノイズが入る前のきれいな電波を増幅させましょう。
しかし、高所でブースターを設置するのには技術が必要なので、不慣れな方は安全のためにも業者に依頼しましょう。
使用しない端子には「終端抵抗(ターミネータ)」をつける
使っていない端子には、「終端抵抗(ターミネータ)もしくは「ダミー抵抗」と呼ばれる部品を取り付けましょう。端子になにも接続しない状態で放置していると、さまざまな電波が入り込んで、テレビの放送電波に干渉して映像の映りなどに影響を及ぼすからです。
分配器やブースターを正しくつけていてもうまく映像が映らない場合は、空の端子が知らず知らずのうちに電波干渉を受けているからかもしれません。
終端抵抗は、工具のナット(六角形の金属のパーツ)の片面に突起が出ているような形のものが多いです。終端抵抗を空いている端子(なにも接続していない端子)にはめ込んで、電波干渉を防ぎましょう。
部屋にアンテナ端子がなければ増設も視野に
もしもお部屋にアンテナ端子がない場合は、アンテナ端子の増設も視野に入れましょう。
アンテナ端子がある部屋に配線(アンテナ線)をつないで、ほかの部屋でテレビを見ることも不可能ではありません。しかし、ほかの部屋のアンテナ端子を使おうとすると、部屋をまたいだ状態で強引にアンテナ線を引いて、やや不便な環境でテレビを見ることになってしまいます。
部屋と部屋の間にアンテナ線があると目立って見た目がよくないですし、ひっかけてけがをしてしまうおそれもあります。そのうえ、ノイズの発生を防止するためには、アンテナ線を太いものに変更する必要もあるため、とても手間です。
それを回避するためには、テレビを使いたい部屋にアンテナ端子を新しく増設したほうが便利なこともあるのです。
また、アンテナの周辺にはブースターなどの専用機器を設置したり、配線をおこなう必要があったりする場合が多いです。この取り付けをおこなう際にも、電気工事の資格を必要とする場合があります。
お客様の安全や快適なテレビ視聴のためにも、工事をおこなう際には一度プロの業者へ相談しましょう。ご自分の家でおこないたい工事に資格が必要なのかどうかを判別しづらい場合も少なくないでしょうから、工事に取り掛かる前に、電気工事のプロにアドバイスを求めると安心です。
まとめ
分配器を使うと、複数台のテレビをアンテナにつなげて、テレビを見ることができます。どのテレビでも多くのチャンネルを見たい場合は「全端子通電型分配器」を、1台のテレビだけでしかBS/CS放送を見ない場合や集合住宅の共同受信などの場合は「1端子通電型分配器」を使うのがオススメです。
分配器は、1つのアンテナ線にいくつも設置するとテレビの映りが悪くなったりすることもります。そのためにブースターなどが用いられ、分配器のなかには初めからブースターと一緒になったタイプのものもあります。また、後付けのブースターは分配器よりもアンテナ側に接続しないとノイズが入ることがあるなど、こまかな接続のコツもあります。
アンテナの分配器を使って複数のテレビを使用したいという方の多くは、ノイズのない快適な環境でテレビを鑑賞したいとお思いのことでしょう。そのような場合は、アンテナと分配器やその周辺機器の知識が豊富な、アンテナ工事のプロへ相談すると安心です。プロに直接相談することで、自分の場合にはどのような種類の分配器をどのように接続するのがベストなのかが明確にわかるからです。