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ジョブ型雇用の時代、総務部に期待される「思考」と「行動」とは

[2021/05/21 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

オフィス最適化の主目的を「固定費の削減」にしない

リモートワークが普及したことによる影響はほかにもある。その1つに、オフィスの契約を解約したり、規模を縮小したりなど、オフィスの在り方を見直す企業が増えてきていることが挙げられる。企業としては、コロナ禍による経済活動の低下を受けて、固定費を削減することが喫緊の経営課題となった。その解決策としてオフィスの見直しが行われている傾向にあるが、坂本氏は「固定費削減をオフィス見直しの主目的に置きたい気持ちに理解は示すが、『人材価値』を最大化するオフィスにするという発想で考えるべき」と警鐘を鳴らす。

人材価値にはさまざまな定義があるが、総務部が配慮する内容を坂本氏は次のような式で表現する。

人材価値

この人材価値の定義について、坂本氏は「オフィスの意義について考える際に出社率を見ることが多いが、そもそも出社自体は仕事ではない。コロナ禍に関係なく、本来オフィス改革とは人材価値向上を狙うべきである。必然的に業務を中心に意見交換することが求められ、業務と場所の相関関係を考えることのほうが出社率よりも重要。なお、人間は機械ではないので感情も一つの分解式として考えられるが、感情はコントロールが難しく、また0になる可能性もあるのでn乗として表した」と説明した上で、現状では人材価値を向上させる業務が必ずしもセンターオフィスだけで実施されていないことを示す独自の調査結果も紹介。そこから、「働く場所は、まず人材価値向上の有効性に影響する業務を軸にデザインされた上で、次に実現可能性に影響する出社率を検討するべき」と見解を示した。

人材価値を高めるための「思考」と「行動」を

米国の経営史学者 アルフレッド・チャンドラーの言葉に「組織は戦略に従う」というものがある。つまり、戦略を変えれば、組織も変わる。組織とは部や課であり、そこには期待される職務が定義されており、そして具体的な業務がデザインされている。この業務に人を紐付けることを人材活用という。メンバーシップ型であろうがジョブ型であろうが、組織としてはいずれも業務に人をアサインするかたちとなる。しかし、このアサイン方法が、メンバーシップ型の場合はジョブローテーションで決まるのに対し、ジョブ型では適した能力やスキルのある人を登用する方針となる。

ここで、無形資産の考え方が重要になる。人の能力やスキルを重視したジョブ型は、結果的に無形資産の育成にもつながるためだ。縦軸に有形資産か無形資産かといった「思考」、横軸にメンバーシップ型かジョブ型かといった「行動」をとった下記のようなマトリックス図で表現すると、今後は第1象限で表された領域が重要視されるようになると坂本氏はいう。

マトリックス図

「長期間に渡って取り組むのが『思考』です。総務は、社員のキャリアを見据えた知的支援を行うことで、組織の無形資産向上を目指せます。横軸は短期間的な『行動』です。今後はメンバーシップ型からジョブ型に移り、期間損益概念が伴うプロジェクトごとに仕事が評価されるようになっていきます。そうした職務に社員が応えられるようにするために、総務としてはどういう行動支援を行うべきか考える必要があります」(坂本氏)

こうした考え方は総務部に限らず組織で働く人々誰しもにとって大切だが、坂本氏は、総務のやりがいは特に「人の働く場を用意すること」にあると強調。「人は業務を通じて成長する。どんな業務をどこでどのタイミングで遂行することが社員の人材価値を向上することにつながるかという発想をこれからの総務部は持つべき」と聴講者にメッセージを送った。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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