着実な改革を進めてきたJALが考えるニューノーマル時代の働き方

[2020/10/07 09:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

JALはコロナ禍にどう立ち向かうのか?

そんなJALが現在、社員の声をきっかけに取り組み始めたのが、休暇中に一部の業務を認める「ワーケーション制度」だ。コロナ禍で注目を集めたキーワードでもあるが、JALがワーケーションを導入したのは2017年とかなり早い。

「専門的な仕事も多く、休暇中にどうしても2時間だけ会議に参加しないといけないといったことがありました。今まではその会議のために休暇をずらしたりしていましたが、逆に休暇中に2時間だけ働くことを認めることにしました」

さらに、2019年からは出張に休暇を付けられる「ブリージャー」制度も開始した。これまでは海外などに出張しても、ついでに休暇をとるということが認められていなかったのだが、ワーケーションの一貫として許可することにしたのだという。当初、社内からは「出張は遊びではない、本当に効果はあるのか」という異論が出たというが、実際に効果検証したところ心身のストレスが低減することなどが証明され、導入に至った。

ワークスタイル改革の成果はすでに表れている。年間総労働時間は減少し、有給消化率も高い数値を維持している。

「何より社員の意識調査で良い結果が出ています『この会社に勤めてよかった』や『今後も働きたいと思う』という割合が向上しているのです」

――と、ここまでは「ビフォー・コロナ」の話である。

順調にワークスタイル改革を進めてきたJALだったが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって急激な変化を迫られた。

「コロナで一気に思考を変えないといけない状況になりました。週2日が上限だったテレワークも一時的に規定を緩和し、出社できないことを前提とした働き方に切り替えています」(小田氏)

社内行事もオンライン化し、どうしても出社しないといけない場合はソーシャルディスタンスを確保するなどの対策を行っている。社員個々人のITリテラシーを高めるために、オンラインでの社員教育なども始めているという。

「ニューノーマルでどんな働き方を目指すのか、まだ議論中ではありますが、自分の時間を自身でマネジメントできる人財を育成するという目的そのものはビフォー・コロナと変わりません」

JALではニューノーマル時代に向けた働き方のトライアルを開始している。出社日数や出社率などを各組織ごとにガイドラインとして設定し、どんな課題があるかを検証していくという。

小田氏はさらに「地方」にも着目している。テレワークが浸透すると出社回数が減っていく。そうなれば住む場所も多様化し、地方への労働力の分散が期待できるだろう。これが結果的に地域共創につながるのではないかと小田氏は予測している。

JALのワークスタイル改革は、コロナ禍を経て大きな転換点を迎えた。社員と会社の成長、そしてその先にある社会の発展を見据え、同社の改革はさらに加速していくに違いない。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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