事業生産性を高めよ! 越川慎司氏が語る、真の働き方改革とは?

[2019/12/11 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

“超時短”を達成するために必要な「3つのコト」

越川氏がまず初めに取り組むべきだとする”超時短”の実現に向けては、具体的にどう取り組めばよいのだろうか。越川氏は、社員の時間を奪う業務の代表的なものとして「社内会議」「資料作成」「メール」の3つを挙げる。逆に言えば、超時短を達成するためには、これらの業務の効率を上げていけば良いということだ。

まずは、「社内会議」から見ていこう。越川氏は、その会議が「情報共有」「決定」「企画/アイディア出し」の3つのうちどれを目的にしたものなのかきちんと意識した上で開催すべきであるとする。

「アイデアを出したのに却下されてしまう会議は、時間を浪費するだけで一番の無駄です。”アイデアを出す会議”はアイデアを出すことに集中し、”決める会議”は、決める人と決め方を定めた上で最小限の人数で行うこと。この2つの会議を切り離すだけで総会議時間は18%減ります。また、”情報共有の会議”はデジタル上で行えます。こうしたことを実行するだけで、会議の時間はぐっと減るはずです」(越川氏)

次に、「資料作成」だ。これに対する解決策として越川氏は、「派手なスライドをつくろうとするのをやめること」を挙げる。クロスリバーが企業の意思決定者800名以上にヒアリングし、AIを活用して分析した結果、人を動かす資料は「相手を疲れさせない、わかりやすいスライドかどうか」が重要であることがわかったという。

「自分はこの情報をすでに持っているか? 持っていないのであれば記憶したほうがよいか? という2つの判断が10秒以内に行われるスライドがわかりやすいスライドです。文字の多いスライドではそれができません。人を動かせなかった資料の平均文字数は、300文字以上という調査結果もあります。1つのスライドに使う文字量は、105文字以内に収めたほうがよいでしょう」(越川氏)

越川氏はほかにも、聞き手の視線が左上から右下に流れるようにデザインすることを心掛けたり、使う色を3色以内に抑えたりするなどといったスライド作成に関するテクニックを紹介。シンプルなスライドは、作成にかかる手間を減らせるだけでなく、情報が伝わるというそもそもの目的にも適していることを示した。

また「メール」に関しては、Ccのルールを決めるべきだとする越川氏。「ルールを決めていないと、現場の従業員は上司に忖度して多くの関係者をCcに入れてしまう。社内のコミュニケーションはできるだけチャットで行ったほうがよい」と聴衆にアドバイスした。

浮いた時間で「学び方」と「もうけ方」を改革する

越川氏によると、このようにして無駄な業務時間を削減した後にすべきことは、学び方改革ともうけ方改革だ。学び方改革の例として越川氏は、社員研修メニューを社員自身に選択させるようにすることを挙げた。

「自己決定権があると人は前向き思考になれる。また、若い社員はスキルや知識を得るために勉強したいという気持ちを持っている。研修満足度が上がれば離職率が減るというデータもあるので、研修を自分で選べるようになることは、従業員の働きがい向上につながる」(越川氏)

また、もうけ方改革の実践ポイントとして越川氏が推奨するのは、多様なメンバーによる会話だ。

「”ギャップ”と”組み合わせ”が、新たなビジネスやイノベーションを生みます。これを狙うのであれば、プロジェクトに多様なメンバーを入れてなるべく遠い業界の異質な人を組み合わせることが重要です。オフィスのなかでイノベーションが起きる場所は、(会議室ではなく)会議室の手前という調査結果もあります。多様なメンバーたちと、『今ちょっといい?』という気軽な会話ができるかどうかが鍵です。忖度をやめて、『会議』ではなく『会話』が起きるような組織づくりをすべきなのです」(越川氏)

越川氏が講演で紹介したように、、利益を生み出す時間を作るために業務時間を削減する”超時短”を達成した上で、社員の働きがいを向上させていく、という流れできちんとステップを踏み、定量的に成果を評価していくことができれば、真の働き方改革につながるだろう。”ぜい肉を落とす作業”だけではなく、”筋力を増やす作業”までをぜひ考慮してみてほしい。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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