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組織に生産性の向上をもたらす「デジタルデクステリティ」とは?

[2018/09/06 08:00]冨永裕子 ブックマーク ブックマーク

IT活用力の向上によって業務に生かせる最新技術

志賀氏は、「デジタルデクステリティによってIT活用力を向上させることは、最近の流行言葉で表現すれば『働き方改革』だと言えるでしょう」と説明し、デジタルデクステリティを高めることで業務に生かせる最新のテクノロジーを紹介した。

ワークストリームコラボレーション

志賀氏によれば、メールは時系列のやり取りは得意だが、テーマが散乱しがちなのでコラボレーション向きではないのだという。一方、SlackやMicrosoft Teams、Google Hangoutsなどは、テーマごとに会話や文書共有、タスク調整が可能な「ワークストリームコラボレーション」を実現するサービスだ。

ワークストリームコラボレーションは、テーマに関連するファイルを紐付けてカプセル化することができる分、メールよりも生産性に優れる。ガートナーでは、2020年までにチームの70%がメールを代替するテクノロジーとしてワークストリームコラボレーションを使うようになると予測している。

ワークストリームコラボレーション/出典:ガートナー(2018年8月)

AIスケジューラ

会議そのものをなくすことはできないが、付帯業務を減らすのに役立つのが「AIスケジューラ」である。その簡単な例として、志賀氏はMarcusとCarrieのやり取りをAIのCortanaが省力化するケースを紹介した。

MarcusがCarrieに「プロジェクトキックオフをやりたい」と伝えると、Cortanaが空いている時間を提案し、Carrieが日程候補を選べば会議のスケジュール予約が終わる。Cortanaは同様のミーティングにBobも参加していたことを把握しており、同時にBobにも会議召集を送るといった具合だ。

ガートナーでは、2022年末までにチームの70%がメンバー間の会議の日程調整でAIスケジューラを使うようになると予測している。

AIスケジューラー/出典:ガートナー(2018年8月)

ピープルアナリティクス

「ピープルアナリティクス」は、働き方だけでなく、今まで気づかなかったチームメンバーの行動パターンを可視化できるテクノロジーだ。

例えば、Googleの「G Suite Insight」は、特定の文書について作った人、協力した人、読んだ人、共有した人、何もしない人がどのぐらいいるかを示してくれる。システム上退社したことになっていたとしても、サービス残業をしたことが明確にわかるため、「働き方改革における不正行為の抑止力としても期待できる」と志賀氏は解説した。

デジタルデクステリティを高めるために必要なこと

デジタルデクステリティの強化を阻害する要因もある。志賀氏が挙げたのは、「習得の手段と機会の不足」と「世代間格差」の2つだ。

まず、トレーニングに関して、日本は他国と比べると関心が低い傾向にあると志賀氏は指摘する。「自分の流儀を変えたくない人たちに対し、トレーニングの必要性をわかってもらうような施策が必要になる」というのが志賀氏の見解だ。

もう1つの世代間格差とは、若い世代がプライベートITのほうを使いやすいと評価するのに対し、年齢が上がるほど使い慣れた業務用ITのほうが使いやすいという評価が増える傾向にあることを指す。”慣れ”を重視して古い物に固執することのリスクを志賀氏は問題視する。

では、どうすれば企業のデジタルデクステリティを高めることができるのか。志賀氏が提案するのは、「最新のITに投資すること」「デジタルデクステリティ強化をIT部門と人事部門の共同ミッションとすること」「世代間格差に配慮したトレーニングの実施」である。その上でビジネス現場では次のような仕組みを作ることを勧めた。

■エリートチーム
ITリテラシーが高い意欲がある人を選んでエリートチームを作り、成功を示して全体を牽引する役割を担ってもらう。
■デジタルワークプレースリーダーを分散配置
困った人が周りを見渡したとき、支援を得られるようにする。ボランティアではなく、サポートした分を人事考課で評価するような「仕組みの改善」も求められる。
■既存環境の活用
現場にフィットしているテクノロジーをやみくもに否定しない。例えば、個人向けのLINEの業務利用にはリスクがあると判断するならば、業務用のLINEを許可するなど、安全な環境への移行を検討することなどが考えられる。

デジタルデクステリティの強化は、終わりのない取り組みである。「企業収益に直結することを理解して進めてもらいたい」と強調し、志賀氏は講演を終えた。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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